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「脱日系」を目指して提案型に舵を切れ

「先読み」と「構え」が肝心

  • 加藤 まどみ

バックナンバー

2013年5月9日(木)

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 リーマンショック以降の超円高や東日本大震災、タイの大洪水、尖閣諸島を巡る中国との摩擦など、日系自動車メーカーは逆風に晒され続けてきたが、アベノミクスによる円安効果もあり、徐々に反攻体制を整えつつある。このコラムでは、円安の追い風を受ける日系自動車メーカーの戦略や世界の自動車産業で起きている技術革新、規制動向などを見ていく。

 いま、日系部品メーカーが直面する大きな課題が「脱日系」だ。日系完成車メーカーばかりに偏った取引先を、欧米系完成車メーカーなどに広げることである。9回目の今回は、長年、自動車業界で戦略の支援を続けているローランド・ベルガーシニアパートナーの長島聡氏が、欧米系完成車メーカーのものづくり戦略をひもときながら、部品メーカーの進むべき道を探る(技術系ライター、加藤まどみ)。

※当記事は4月10日に開催された「徹底予測 次世代自動車セミナー2013」の講演を基にまとめました

 日系自動車部品メーカーが新興国に打って出るに当たり、日本の系列メーカーだけではなく、現地に進出する欧米完成車メーカーと手を組む必要性が高まっている。その場合、当面は現地メーカーではなく欧米系部品メーカーがライバルになる。そこで欧米完成車メーカーとして独フォルクスワーゲン(VW)社のモジュール戦略をひもときながら、欧米系メガサプライヤーの取り組みや、参考になりそうな他業界の事例を紹介しよう。

 VWのモジュール戦略とは、従来のプラットフォーム戦略をさらに高度にしたものである。同社は多様化する世界のニーズに対応し、ニッチセグメントまで余さずシェアを奪いにいくことで、2018年までに世界一になることを目指す。その具体策が、迅速に世界中で効率よく多数の車種を造り出せるモジュール戦略である。

 車種やセグメントをまたいで共有するモジュールを開発し、それらの組み合わせで車両を開発していち早く製品を市場に出す。加えて、世界中の工場でどんなモデルでも生産できる体制の構築も目指す。現地の情勢や為替などの状況に応じて各工場で生産する車種を迅速に変えられる。モジュールごとの寿命は12~14年を目安とし、インターフェースを標準化することで、モジュールを刷新したとしてもほかのモジュールに影響を与えないように工夫してある。

キーワードは「先読み」と「構え」

 VWを範としたモジュール化戦略は今後、世界中のメーカーに広がるだろう。「脱日系」を果たすには、部品メーカーはいやが応でも対応しなければならない。そのために部品メーカーに必要なことが、「提案型ものづくり」だ。実現のキーワードが、将来起こりうる出来事やニーズを予測する「先読み」と、実際に発生したニーズに素早く対応できるよう準備しておく「構え」である。

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