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「先端」が聞いて呆れる官製「国際先端テスト」のお寒い中味

アベノミクスは「1丁目1番地」で躓く?

2013年5月10日(金)

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 国際先端テストというのをご存知だろうか。安倍晋三首相が推進する経済政策、いわゆるアベノミクスで、強力な武器になるはずだったものだ。アベノミクスという言葉が人口に膾炙する以前、昨年の総選挙の時から、この武器は準備されていた。

 自民党の政権公約の具体的項目を記載した「自民党政策BANK」。その「経済成長」のところには、「大胆な規制緩和」という見出しと共に、こう書かれていた。

 「戦略分野ごとに企業の活動のしやすさを世界最先端にするための『国際先端テスト』(国内の制度的障害を国際比較した上 で撤廃する基準)を導入します」

 つまり、霞が関が企業活動を縛っている様々な規制を、国際的に比較してみて、日本にしかないような規制は撤廃してしまう、としていたのだ。

 安倍内閣は全閣僚による日本経済再生本部を政府内に設置、その下に成長戦略を策定する「産業競争力会議」と規制撤廃を議論する「規制改革会議」を置いた。

志は高かったはずだが

 アベノミクスでは「大胆な金融緩和」と「機動的な財政出動」、「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢を掲げた。1本目、2本目の矢はすでに実行に移され、予想以上の円安株高をもたらしたが、それだけでは単なる金融緩和バブルに終わりかねない。

 多くの識者が指摘しているように3本目の矢である「成長戦略」で日本の産業構造を大転換することが不可欠だ。

 そのための仕掛けが、安倍首相自らが議長を務める産業競争力会議と、民間人からなる規制改革会議だ。産業競争力会議で具体的な成長戦略を策定、その実現に障害になる規制を規制改革会議でヤリ玉に挙げる。そのための武器として「国際先端テスト」が使われるはずだったのである。

コメント5件コメント/レビュー

しかし不思議だ。実質的な改革(含規制緩和)を推進しないと遅かれ早かれアベノミクスは失速する。いくらオヤクニンが利益誘導で焼け太りするのが好きだと言っても寄生虫は宿主が死んでしまったら自分も死ぬ運命だと自覚しているものだと思うのだが。(2013/05/10)

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「「先端」が聞いて呆れる官製「国際先端テスト」のお寒い中味」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

しかし不思議だ。実質的な改革(含規制緩和)を推進しないと遅かれ早かれアベノミクスは失速する。いくらオヤクニンが利益誘導で焼け太りするのが好きだと言っても寄生虫は宿主が死んでしまったら自分も死ぬ運命だと自覚しているものだと思うのだが。(2013/05/10)

「役所の習性を知りぬいたブレーンを抱えた民間人が政治家とタッグを組んで、規制に大ナタを振るわない限り、簡単に規制改革などできないのだ」と磯山氏は述べられている。このことこそが、これまで幾度となく繰り返されてきた規制改革に対する良識ある提言だった。一般国民から見れば、役人らの多くは「法」に守られた暗黒世界のスーパーマンのようだ。素晴らしい明るい日本を築いていくためにも、改革の障害となっている「法」を速やかに改正していくべきだ。(2013/05/10)

こういう健全な批判はいいですね。こういう取材はどんどんすべきですね。ただただ日本が破たんするという悲観論よりよっぽどいいです。(2013/05/10)

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