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路線バスでイノベーションを起こす

イーグルバス(埼玉県川越市)が“衰退産業”で見せた革新性

2013年5月10日(金)

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 地方の路線バスは住民にとって生命線だ。高齢化に伴って、自動車を運転できず主要な移動手段がバスしかないという人が増えている。しかし、人口の減少でバス路線を維持することが難しくなっている。路線廃止にはならなくても、運行本数が極端に少なくなることも多く、地域の住民の利便性が大きく損なわれる例もある。

 日本におけるバス事業の歴史は100年を少し過ぎたぐらいである。1903年に京都市で本格的なバス事業が始まった。大正時代に入ると徐々に路線バスが全国に広がった。特にバス事業が大きく発展するきっかけとなったのが1923年に発生した関東大震災だ。鉄道の線路が破壊され、住民の応急的な移動手段としてバスが導入されたためだ。

 このようにバス事業は戦前から戦中にかけて大きく発展していった。大きな転機が訪れたのは1960年代頃。モータリゼーション社会が本格的に到来したのだ。主要な移動手段はバスから自家用車に移り、同時に道路の渋滞も慢性化してバスの定時運行に大きな支障をきたすようになった。さらに同じ時期に地方の過疎化も始まった。その結果一部のバス路線の運行が厳しくなり、この頃から地方のバス事業者を中心に再編が始まった。

事業環境の悪化で重大事故が頻発

 その後、2000年代に入って襲ってきたのが人口減少と規制緩和の波であった。生産人口の減少と少子化でバス需要は構造的に低迷。2000年に観光バス、2002年には路線バスの参入規制が緩和された。この規制緩和では撤退の自由化も行われたため、大手バス事業者が事業性の厳しい地域から相次いで撤退した。交通空白地帯の問題と競争の激化が多くの地域で顕在化し始めた。結果として廃止路線数は毎年各地で続発しているという。

 最近では燃料費の高騰や排気ガス等の規制などの問題にも直面している。年々客数が減少して経営環境が悪化する中で、必要な設備投資を企業として行わなければならない状況で、多くのバス事業者は人件費や整備コストの削減を迫られるようになった。その結果、過重労働や低賃金が常態化。整備不良や現場で働く運転手のモラル低下を招き、重大事故が多発するようになった。

 ほかの産業と比べても非常に厳しい環境に置かれているバス運輸市場において、大手バス事業者が撤退した路線を引き継ぎ、様々な改善活動を行いながら事業を発展させている企業がある。それは埼玉県川越市に本社を置くイーグルバスだ。

 現在のイーグルバスはバス事業を中核に、旅行代理店、福祉事業を展開しているが、同社の歴史は意外と古い。もともとはイーグルトラベルという旅行代理店として、1950年前後から国内外の旅行やバスツアーの企画、観光バスの予約手配などを地元の川越市で行ってきた。創業年がはっきりしないのは、谷島賢社長の父、谷島繁人氏が個人で細々と事業を始めたためだという。

 イーグルトラベルは創業当時からバス事業に参入することを考えていたが、実際にイーバス事業に参入したのは80年である。この年にイーグルバスを設立し、78年に大学を卒業し、大手旅行代理店に勤務していた谷島社長が家業であるイーグルバスに戻ってきた。

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「路線バスでイノベーションを起こす」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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