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シリア内戦に手を出そうか迷うオバマ大統領

軍事介入なら新たな中東戦争勃発も

2013年5月14日(火)

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 足を踏み入れるべきなのか――。

 米国のバラク・オバマ大統領が今抱える安全保障上の最大の悩みは、「シリアに軍事介入するかどうか」だろう。北朝鮮の軍事挑発の危険性が薄らいでいることで、喫緊の課題は内戦状態にある中東シリアの対応に移った。

 日本は地理的に離れているため、シリア内戦による直接的な影響は少ないが、単に指をくわえていられない状況が到来する可能性もある。シリアから周辺国に逃れた難民数はすでに100万人を超えた。今月3日と5日にイスラエルがシリアの首都ダマスカス近郊を空爆したことで、新たな中東戦争に突入する可能性も捨てきれない。周辺国を巻き込んだ中東戦争に発展すれば、原油価格の高騰は避けられず、アベノミクスに暗雲が立ちこめる。

 そんな中、オバマ政権内部には今、シリア問題で軍事介入派と静観派の対立が浮上している。大統領本人は両派のアドバイスを聞きながらも、大きな一歩は踏み出せずにいる。シリア政府軍によるサリンの使用がほぼ確認されていても、軍事介入の忠告には頷かない。何故か。理由がいくつかある。

 兵役の経験がなく、戦争を知らない大統領だけに、軍事力によって本当の平和を達成できるのか、猜疑の念が強い。本格的な軍事介入は国際的な反発を招くだけでなく、周辺国との関係を悪化させることにもなりかねない。

 さらに米国内からの反発も強い。ニューヨーク・タイムズとCBSテレビの共同世論調査では、62%の回答者が「軍事介入する責任はない」としている。

熱いスープで舌を火傷すると、ヨーグルトを吹く

 もう1つの理由が「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」という態度である。ブッシュ政権時代に米国が突き進んだアフガニスタンとイラク両国での戦争の後遺症が残っている。オバマ氏は大統領に当選する前、米軍を両国から撤退させることを口にしていた。いまだに両国でのテロ活動は後を絶たないし、米軍が世界の警察官であり続けるべきではないとの外交姿勢を示す。

 ニューヨーク・タイムズのトーマス・フリードマン氏は、「羮に懲りて…」の諺は、アラブ世界では「熱いスープで舌を火傷すると、ヨーグルトを吹く」と紹介。一見すると消極的な態度ではあるが、軍事介入後のシリア国内の混乱に思いを馳せると、軍事介入が賢明な選択肢であると簡単に結論づけられないと記している。

 一方、軍事介入を支持するのがジョン・ケリー国務長官やジョン・マケイン上院議員らだ。空からの攻撃でシリアを叩けると読む。マケイン議員は、巡航ミサイルによる攻撃で、イランとロシアからシリア国内に入る物資を阻止できると主張する。

 米国が軍事介入するにしても、アラブ連合(UAR)と国連安全保障理事会の承認、そして米連邦議会の認可という3方向からのゴーサインを取り付ける必要がある。

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「シリア内戦に手を出そうか迷うオバマ大統領」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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