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戦略的に外部から特許を調達するグーグル

イノベーション企業の現状分析~将来予測【その3】

2013年5月22日(水)

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 米グーグルの主事業と言えば、昔も今もWeb上の情報検索だが、近年はアンドロイドの立役者として存在感を認められている。2010年にはスマートフォンタイプのNexusシリーズを、2012年にはタブレットタイプの同シリーズをリリースするなど、モバイル機器分野にも積極的に参画している。米アップル対台湾・宏達国際電子(HTC)の知財訴訟では、グーグルが米Openwave Systemsなどから得た特許をHTCに譲渡して支援したことが報じられるなど、アンドロイド陣営のフィクサーといっても過言ではないだろう。

 一方で、経営破たんしたカナダNortel Networksの約6000件の特許買収で、2011年にアップル、米マイクロソフト、ソニーなどの6社による企業連合に競り負けるやいなや、米IBMから延べ2000件を超える特許を購入。さらには特許目当てと揶揄される125億ドルにも及ぶ米Motorola Mobilityの買収など、矢継ぎ早に手を打っており、物議を醸している。

 1976年創業の老舗ともいえるアップルなどと比べると、一般論として新興IT企業が特許件数で追いつくには時間がかかる。しかし、ソフトウエア関連企業の先輩格ながら一昔前は知財に弱いとされたマイクロソフトが、今では世界屈指の特許保有数を誇るまでに成長した事実に照らすと、グーグルが今なお特許ポジションで弱いか否かは不明である。一方、上述したOpenwave特許のように知財訴訟で用いられたものを除けば、外部調達特許の実態、具体的にはどこの企業から何の目的で何の特許を取得したのか、さらにはそれによってグーグルの特許ポートフォリオがどのように強化されたのかなど、不明な点が多い。そこで、今回は、これらの不明点を解明しつつグーグルの事業戦略を分析し、将来予測までも試みたい。

 本分析/予測には、前回と同様に知財情報戦略を適用する。知財情報戦略は、知財情報を適切に絞り込んで母集合を設定する検索ステップと、設定した母集合をいろいろと分析した上で将来予測をする分析ステップとからなる。今回も、検索ステップでは米国特許商標庁(USPTO)が特許出願ごとに、技術内容に応じて付けるインデックスの中で、国際特許分類《注1》に着目する。その結果、グーグルの特許に付けられたものとしてG06F(電気的デジタルデータ処理)が最多であったため、これを用いて絞り込むことにした。この分類は、アップルについてもその数が最多であったため、結果的に相対比較にも適したものとなる。

《注1》International Patent Classification(IPC)。国際共通の特許分類であり、グローバルな特許調査や分析に好適。上位から順にセクション、クラス、グループという階層構造を持つため、目的に応じた大小の分類が可能。なお、米国におけるUS Classification(USC)など、独自の特許分類を併用する国がある。

 続く分析ステップでは、まず主要プレーヤーとのポジションを把握。その後、グーグルのみを掘り下げて分析し、最後に将来予測を行う。なお、主要プレーヤーとしては、前回同様、グーグルのほか、アップル、韓国サムスン電子及びマイクロソフトの計4社を選定し、必要に応じて対比する。

件数面ではアップルに拮抗し健闘

 まず主要プレーヤー4社の特許出願件数のシェアに着目する(図1)。グーグルは、4社の中では最下位(第4位)ではあるものの、第3位のアップルとは僅差。その差は100件(件数比で約2%)に過ぎず、健闘しているといえよう。

図1:4社間の特許出願件数(2000年以降出願、以下同じ)のシェアマップ
検索ツール(以下同様):日立システムズ Shareresearch
解析ツール(以下同様):コスモテック特許情報システム INNOVATION NAVI
対象公報(以下同様):登録公報(2013.2.26発行分まで)、公開公報(同2.28発行分まで)

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「戦略的に外部から特許を調達するグーグル」の著者

山内 明

山内 明(やまうち・あきら)

弁理士 AIPE認定知的財産アナリスト

三井物産グループ向け知財コンサル部門を統括し、知的財産デューデリジェンス、知的財産価値評価、知財情報解析活用によるマーケティングやアライアンス支援等、攻守に亘る広範なサービスを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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