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「測る」「見る」「考える」で路線バスを再生する

バス革命で海外目指すイーグルバス

2013年5月16日(木)

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 全国各地で路線の廃止が相次いでいるバス事業で、改革を続けて事業を拡大している埼玉県川越市のイーグルバス。前回は、これまであまり気に留めることもなかった停留所の位置の改革などについて取り上げた。引き続き同社の改革について見ていきたい。

 イーグルバスの谷島賢社長が目指したのは、時間に正確に運行することだった。利用者を増やすために、鉄道との接続を特に重視した。バスのニーズとしては当たり前とも言えるが、バスは車庫を出てしまうと、定時運行しているのか分からなくなってしまう。つまり、多くのバス事業者はサービス品質管理が十分にできていないのだ。

 イーグルバスは1995年に小江戸巡回バスで実質的に路線バス事業へ参入して以来、こうした問題意識を持ち続けてきた。そこで2002年に埼玉大学工学部と共同で「CO-EDOバス位置情報システム」を開発、実用化した。2006年に埼玉県日高市の路線バスを引き継いだ際には、バスに赤外線センサーとGPSを搭載して、停留所ごとの乗降者数や運行時間の遅れなどを把握できるようにした。

ITとアンケートで顧客ニーズを探る

 客観的なデータに加えて、顧客ニーズをつかむためのアンケートシステムも作り、顧客ニーズと運行の最適なバランスを実現する「ダイヤ最適化システム」を構築した。このシステムの特徴はITによる運行データだけでなく、日々バスを利用している乗客の声を重視している点だ。バス車内には葉書形式のアンケート用紙を置いており、乗客が自由に回答できる。今では毎月約100通のアンケートが届き、谷島社長も必ず目を通すという。

 日々のアンケート調査とは別に、年1回改定するダイヤについて聞く「ダイヤ改定評価アンケート」も実施している。アンケート用紙を乗客に配布し、車内に設置した回答箱で回収する。さらに、路線バスが運行する地域の住民の暮らしは年々変わるので、3年に1回、地域住民を対象に全戸アンケートを実施する。

 アンケートは内容の変更を繰り返している。今では路線や利用時間、利用している停留所といった具体的な情報まで書いてもらい、回答は「クレーム・問題点・課題」「要望・提案」「おほめ」に分類して、アンケートを実際のダイヤ改定に利用する仕組みを作り上げている。

 また、バスの運転士から提出される日報の分析とヒアリングを行い、データの裏付けを取るようにしている。

 多面的に収集したデータを活用するため、イーグルバスでは時間別や区間別の利用状況をビジュアルで見せるソフトウェアを独自開発し、「運行の見える化」を実現している。この仕組みを利用して、慢性的に運行時間が遅れているところを見つけて改善したり、利用者が少ない路線の運行本数を削減したり、あるいは利用者の多い路線の運行を強化したりする。

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「「測る」「見る」「考える」で路線バスを再生する」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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