「早読み 深読み 朝鮮半島」

日本との関係を悪くしたい韓国、良くしたい北朝鮮

飯島訪朝後の半島情勢を荒木和博教授と読む

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2013年5月23日(木)

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 日本にラブコールを送る北朝鮮。中国に急接近しつつ反日を叫ぶ韓国。流動化する朝鮮半島情勢を荒木和博・拓殖大学海外事情研究所教授と読み解いた(編集部注:5月18日に同研究所が開いた「国際講座 朝鮮半島は中国に呑みこまれるのか」での2人の対談に加筆・修正した)。

思いつきとは思えない飯島訪朝

荒木 和博(あらき・かずひろ)氏
拓殖大学海外事情研究所教授。1956年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。民社党本部書記局で教育・広報・青年運動等を担当。1997年拓殖大学海外事情研究所専任講師。助教授を経て現職。現在、特定失踪者問題調査会代表、予備役ブルーリボンの会代表、国家基本問題研究所評議員などを兼ねる。予備一等陸曹。著書に『なぜ北朝鮮は崩壊しなかったのか』(光人社NF文庫)など。

荒木:5月14日、飯島勲内閣官房参与が突然に北朝鮮を訪れ、同国政府高官と拉致問題を協議しました。一方、5月7日に韓国の朴槿恵大統領はオバマ大統領とワシントンで会談しました。朴槿恵大統領は6月にも訪中し、習近平主席と会います。構造ががらりと変りそうな朝鮮半島情勢を、鈴置さんと話し合います。

 飯島訪朝は非常に唐突でした。でも、飯島氏の慎重さ、あるいは大胆さを考えると、今回の訪朝はパフォーマンスや思いつきではないはずです。

 安倍晋三首相は拉致問題に長く関わり、2002年の小泉訪朝にも同行しています。安倍さんの脳裏には当時の北朝鮮の状況――中国との関係が悪化し、米国との関係は良くならないという状況下で日本に擦り寄ってきた――が強く刻まれているようです。

 北朝鮮のミサイル発射や核実験により関係各国は「結局、中国は北にさほど影響力を持っていないのではないか」と見なしました。北朝鮮に面子を潰された中国は堪忍袋の緒が切れています。

「日朝」、動くなら一気に

 米国も「米韓日に対し先制核攻撃する」と脅されている以上、裏交渉はともかく表舞台での交渉は難しいと思われます。

 北朝鮮内部の動き、ことに軍高官の人事を見るに政権が安定していないことは明らかです。北の“生命維持装置”である中国も、さらに厳しい対応をしてくるでしょう。この苦境を北が乗り切るにはカネがいる。そのためには日本に交渉を持ちかけるしかない、という状況なのでしょう。

 今後どうなるかについては何とも言えません。「日朝」だけなら想像できますが、米中韓三国の利害も複雑に絡み合うからです。特に韓国は日朝交渉の進展に対し妨害に走ると思いますし、実際にその兆候が見えています。

 もし、飯島さんの動きが成功につながるとするなら、一気に動いた時に限られるでしょう。時間をかければ情報も漏れるし、邪魔も入りますから。

 では、最近のもうひとつの動き、米韓首脳会談に関し鈴置さんに評価を伺いたいと思います。

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