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北朝鮮のミサイル発射は「韓国いじめ」の号砲

飯島訪朝は戦略的な対北朝鮮政策のシグナル

2013年5月24日(金)

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 北朝鮮が5月18日、ついにミサイルを発射した。朝鮮半島問題の専門家、政策研究大学院大学の道下徳成准教授は「これは、北朝鮮による韓国叩きの始まり」と分析する。日米韓の分断を図る意図だ。(聞き手=森 永輔)

北朝鮮が5月18日、ついにミサイルを発射しました。4月上旬からずっと懸念されていたことです。なぜ今だったのでしょう? 今回のミサイル発射は今までと様子が異なります。直近の2回は長距離ミサイルを南方向に撃っていましたが、今回は短距離ミサイルを東に向けて撃ちました。この意図は何でしょう? また、5月18日、19日、20日と3日連続で発射しています。これは何を狙っているのでしょう?

道下徳成(みちした・なるしげ)
政策研究大学院大学准教授(安全保障・国際問題プログラム ディレクター)。 専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。 著書にNorth Korea's Military-Diplomatic Campaigns, 1966-2008 (London: Routledge, 2009) がある。
米国ジョンズ・ホプキンス大学博士

道下:現時点ではいずれも不明です。ただし私は、これは北朝鮮による「韓国叩き」の始まりだと考えています。韓国叩きは日米韓の離間策の1つです。この3カ国が団結していることは,北朝鮮にとって歓迎すべきことではありません。米国と日本との間では対話に向けた雰囲気を作る。いっぽう、韓国に対しては強硬な路線を取る。韓国が米国に支援を求めたときに、米国が「まあまあ、ここは我慢して」といった態度を取れば、韓国は米国に不信感を抱くでしょう。

 北朝鮮は米国と話し合うための準備を既に整えています。交渉カードに使える長距離弾道ミサイルの実験と、より強力な核兵器は既に成功させました。米国のケリー国務長官は4月半ばに北朝鮮との対話の可能性を示唆しました。今回発射した短距離ミサイルは、米国にとって脅威とはなりません。日本との間では、飯島勲内閣官房参与を迎えることで融和の姿勢を示しています。

韓国の「作戦海域」か、北朝鮮の領海か

 一方、韓国にはプレッシャーをかける。今後もいろいろな手段で韓国を挑発することが考えられるでしょう。例えば、韓国が設定した北方限界線(NLL)の南側の一部に、北朝鮮が自国の領海としている海域があります。係争海域と呼ぶことにしましょう。ここに砲撃を加えることが考えられます。これは、なかなか周到な策です。韓国は対応に苦慮することになるでしょう。

道下徳成、横山早春が作成

 係争海域は非常に微妙な場所です。韓国は自国の「作戦海域」、北朝鮮は自国の領海、米国は公海と位置づけているのです。韓国は朝鮮戦争が休戦となって以降、朝鮮半島の西側、黄海上にNLLと呼ぶ軍事境界線を提案し、その南側を韓国の「作戦海域」と主張しています。一方、北朝鮮は2006年、NLLとは異なる海上境界線を引き、これより北を北朝鮮の領海と主張しました。係争海域はNLLより南であるものの、北朝鮮の海上境界線より北に位置します。したがって両国の主張がぶつかりあうことになります。さらに複雑なことに、米国はこの海域を公海と見なしています。

 国際法に則って見た場合、韓国の主張には弱い部分があります。韓国は基線から3カイリを基準にNLLを引きました。かつて領海は「基線から3カイリ」と定められていました。しかし係争海域の東端(延坪島)と西端(小青島)の間には韓国領の島がありません。このため、この海域は誰が見ても韓国の領海とは言えません。領海を「基線から3カイリ」として判断すると、米国が主張するようにこの海域は公海ということになります。韓国の領海でも、北朝鮮の領海でもない。

 いっぽう、北朝鮮は基線から12カイリを基準に海上境界線を引いています。現行の国連海洋法条約は、基線から12カイリを領海と定めています。このルールを適用すれば、係争海域は北朝鮮の領海ということになります。北朝鮮はこれから、この海上境界線の存在を強く訴えてくるのではないかと考えています。

コメント7件コメント/レビュー

短距離ミサイルの発射なんて、米韓軍事演習に反発して停戦協定の白紙化まで言い出した北が何もしなかったら国民や兵隊に示しが付かないからでしょ?NLL南方へ砲撃されたら、砲撃をしかえそうとすると撃つ所は無いのでしょうが、その場所で韓国が軍事訓練をすれば済むことでしょ?実弾ならなおよし。「わが方の領海にたった1発の砲弾でも落ちる場合、即時の反撃戦に進入し…敵が無謀に対応する場合…すべての打撃集団は朝鮮西海の5島から火の海にする」この手のことは何回も宣言していますが火の海になったことはありません。仮にそんな所を火の海にしても自国が無くなりかねませんからできっこないでしょう。それを覚悟でやってくれるのを楽しみにしているのですが。「飯島氏の訪朝は、米韓から「足並みを乱す行為」として反発される」アホな質問。米国の対北経済制裁中止や、ナントカ山観光や開城?工業団地で金を北に与えていたことはどうなのかしら?「日本の意図をきちんと韓国に説明しながら進める必要がある」相手にも同じことを要求しましょう。既に日本人は、「韓国はこういう大事な時に裏切る、信頼できないパートナーだ」と考えていますから。「お祝いの席でいきなりやる必要はなかったでしょう」言われて反論しないのは、言われたことを認めたことになります。その都度きちんと反論すべきです。嘘を言い続けているのは相手なのですし。(2013/05/27)

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「北朝鮮のミサイル発射は「韓国いじめ」の号砲」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

短距離ミサイルの発射なんて、米韓軍事演習に反発して停戦協定の白紙化まで言い出した北が何もしなかったら国民や兵隊に示しが付かないからでしょ?NLL南方へ砲撃されたら、砲撃をしかえそうとすると撃つ所は無いのでしょうが、その場所で韓国が軍事訓練をすれば済むことでしょ?実弾ならなおよし。「わが方の領海にたった1発の砲弾でも落ちる場合、即時の反撃戦に進入し…敵が無謀に対応する場合…すべての打撃集団は朝鮮西海の5島から火の海にする」この手のことは何回も宣言していますが火の海になったことはありません。仮にそんな所を火の海にしても自国が無くなりかねませんからできっこないでしょう。それを覚悟でやってくれるのを楽しみにしているのですが。「飯島氏の訪朝は、米韓から「足並みを乱す行為」として反発される」アホな質問。米国の対北経済制裁中止や、ナントカ山観光や開城?工業団地で金を北に与えていたことはどうなのかしら?「日本の意図をきちんと韓国に説明しながら進める必要がある」相手にも同じことを要求しましょう。既に日本人は、「韓国はこういう大事な時に裏切る、信頼できないパートナーだ」と考えていますから。「お祝いの席でいきなりやる必要はなかったでしょう」言われて反論しないのは、言われたことを認めたことになります。その都度きちんと反論すべきです。嘘を言い続けているのは相手なのですし。(2013/05/27)

> お祝いの席でいきなりやる必要はなかったでしょう李明博前大統領の行為と韓国外務省の親書事件はどうなったんでしょうか?。以前から韓国は敵対的です。(2013/05/27)

非常に冷静且つ正論でした。(2013/05/25)

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