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日本の憲法改正「早くして」が米国の本音

オバマ大統領も安倍首相の考えに賛同

2013年5月28日(火)

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 7月の参院選を前に、安倍晋三首相が目指す憲法改正の議論が盛り上がってきている。では、米国は日本の憲法改正をどう捉えているのか。特にバラク・オバマ大統領や日米関係を熟知する専門家の本音はいったいどういうものなのだろうか。

 その話に入る前に、時間を昨年末まで戻したい。第2次安倍内閣が誕生して間もない時、ある野党議員が筆者にこう漏らした。

 「アベノミクスの導入は、安倍さんの長年の野望を実現させるための準備段階に過ぎない。まず景気を回復させる。経済指標の数値が上向けば、それをバネに7月の参院選で自民党を勝たせることができる。その後、彼の野望である憲法改正の実現に動ける」

 その見方が正しければ、憲法改正こそが安倍首相の政治家としての本懐と言える。もちろん北朝鮮拉致問題の解決とともに、公務員制度改革や国会議員の定数削減といった選挙制度改革などの実現も重要案件だ。ただ東アジアの安全保障情勢を眺めると、憲法96条とその先にある9条の改正は最重要課題と位置づけられる。

 現在、日本国内の憲法改正への意識は賛否両論が拮抗している。世論調査によって数値にばらつきがある。たとえば朝日新聞の最新の世論調査では、憲法96条を書き換えて、改憲に必要な衆参各院の議員比率を3分の2から過半数にする案に、反対と答えた人は54%だった。賛成は38%。9条についても改正に反対が52%で、いずれも過半数の回答者が憲法改正に反対の立場である。調査そのものに政治色はないはずだが、護憲派の朝日新聞の調査では、憲法改正に反対する人が多い。

 ところが産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の共同世論調査では逆の結果が出ている。憲法改正に賛成すると答えた人は61%に達する。反対は26%。ただ96条の先行改正については44%が反対で、賛成の42%をわずかに上回る。議員の3分2以上が賛成しない限り、改正すべきではないとの回答だ。この数字を見る限り、憲法改正の可能性は現時点で「微妙」と言わざるを得ない。

民主・共和両党の政治家が改正に賛成

 それでは本題の米国の思惑はどうなのか。端的に述べると民主・共和両党の政治家と政府高官は日本の憲法改正に賛成である。しかも9条改正に前向き、それどころか「早く改正してください」という立場だ。それは今に始まったことではない。

 10年以上前から、米政府内には9条改正に対する強い肯定論が出されていた。筆者は2004年冬、ワシントンの国務省で当時国務副長官だったリチャード・アーミテージ氏に憲法改正について訊いた。同氏はオバマ政権誕生後、表舞台から退いたが、安倍首相とは今でもワシントンの重要なパイプ役として信頼関係を築いている。ある意味で、いまだに米国を代弁する人物ともいえる。同氏は次のように述べた。

 「私は『アーミテージリポート』という21世紀の日本の安全保障のあり方を記した報告書を発表しています。それを踏まえて明言したいのは、日米同盟や国際社会の安定のために軍事力を用いる際、憲法9条は邪魔になっているということです。日米が共同作戦をとる段階で障害になっているのは偽らざる思いです」

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「日本の憲法改正「早くして」が米国の本音」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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