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少子化を、もっと自分のこととして考えましょうよ

少子高齢化社会をどう克服すればよいか、自分の頭で考えるための本

2013年6月3日(月)

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 こんにちは。月に1度の、書評コラムにようこそ。

 今回は、日本が直面している一番大きな問題、「少子高齢化」をテーマに取り上げてみました。少子化については様々な識者が、様々なリポートや政策提言などの本を出しています。そうしたものをただ「ああそうか」と読むだけではなく、自分の頭で考えるための本を、今回はご紹介していきたいと思います。

人口論』(マルサス著、斉藤悦則訳)

 まず、一冊目はこちらです。定番といいますか、必読の古典、マルサスの『人口論』です。

 この本は、18世紀終わり、フランス革命後の時代に英国で著された古典で、読者のみなさんも名前ぐらいはご存じだと思いますが、実際に読んだ人は少ないのではないでしょうか。

 古典は、結論は簡単なのです。マルサスの場合も、食糧は算術級数的にしか増えないけれども、人口は幾何級数的、すなわちネズミ算的に増える、ということを言っているわけです。たとえばほぼ同じ時代に生きたアダム・スミスの『国富論』に書かれた「神の見えざる手」「市場主義」というコンセプトは誰でも知っていますが、果たして著者らがそこに至るまでのプロセスをどこまで理解しているでしょうか?

結論ではなく、どの事実とデータでそう考えたのかを知る

 少子化とはとどのつまりは人口問題です。そこでマルサスの人口論では、マルサスが200年前、どのような事実とデータに基づき、どういう思考プロセスでこうした結論に至ったのか、を体得する必要があるでしょう。

 本書の扉には、こうあります。「人口の原理について、将来の社会の改善に役立つように、ゴドウィン氏、コンドルセ氏、およびその他の方々の論考にふれつつ、論じる」。序文によればマルサスの人口論は、ゴドウィン氏の著作に収められた論文「吝嗇と消費」について、マルサスが友人と語ったことから生まれた本だそうです。

 さて、マルサスが200年前に導きだした結論はどうでもいいのです。マルサスの思考のパターンをよすがとして、現代の人口問題を考えるツールにすればよいのです。そこで次に読むことをお勧めする本は『人口学への招待――少子・高齢化はどこまで解明されたか』(河野稠果著、中公新書)です。

 この本は、現代日本のマルサスであると言っても過言ではありません。人口問題が現在、どこまで解明されたかが克明に書かれています。実にシャープで読み応えがあります。マルサスとこの本を読むと、人口問題を考える視座がしっかりしてくるでしょう。そして、人口問題を自分の頭で考えるための思考の枠組みが構築されることでしょう。

 世の中に少子化問題を語る識者の方々は大勢いますが、この2冊をきちんと読んでいる人は、半分もいないのではないでしょうか。そうした方々の提言は、たいていは帯に長し、たすきに短しです。

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「少子化を、もっと自分のこととして考えましょうよ」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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