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「産地支援」はバーゲン後ろ倒しの理由にならない

破壊者が今ごろ「産地を守る」と言う白々しさ

2013年6月5日(水)

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 今夏のセールも昨年夏や今年1月と同様にバーゲンセールの「後ろ倒し」組が出る。

 ルミネは5月、今年も7月12日にセールを開始すると発表した。三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、それより遅い7月17日開始と発表している。他店はおそらく6月末くらいから順々に開始していくだろうから、三越伊勢丹HDとは3週間以上の差ができることになる。

今も続く「前倒し派」「後ろ倒し派」の論争

 セールの時期を巡っては、前倒し派と後ろ倒し派に分かれての論争が続いており、いつ決着が付くのか分からない。間違いなく言えるのは、春夏物の販売のピークは3月の中旬以降からゴールデンウィークの終わる頃までである。これについては異論はないだろう。ゴールデンウィークが終わる5月10日以降から6月末までは本当に売れ行きが鈍い。セール前倒し容認派の多くはこの現状を論拠としている。

 セール開始がこれまで通りの7月1日周辺だったとしても、5月10日以降はセール待ちが増えて売れ行きが鈍る。であるならば、在庫を6月末から10日間ほどのセールで処分して、7月半ばから新作を投入した方が店頭は活性化する。これがセール前倒し容認派の主な主張である。

 一方、店やメーカーが利益を確保するためにはプロパー(定価)で販売する期間が少しでも長いほうがいい。セール時期が年々早まることでプロパー販売期間はどんどん短くなってきた。これがセール後ろ倒し派、具体的にはルミネと三越伊勢丹HDの論拠である。一読する限りは、どちらも一理あるような気がする。

 しかし、セールの後ろ倒し組が出ることで、セール時期が分散してしまうデメリットがある。各施設で同時多発的にセールが行われるから相乗効果によって盛り上がるのであって、各施設が五月雨式にセールをするとまったく盛り上がらない。これは昨夏を思い返してもらえれば理解できるのではないだろうか。

 筆者はゴールデンウイーク終了以降の店頭の不振ぶりとセール分散化による盛り上がりの欠如を考えると、セール前倒し容認派である。利益の確保は、7月半ばに投入する新規商品を積極的に企画することで対応すべきだと考えている。

 セール後ろ倒し派の中には産地支援を理由に掲げる向きもある。例えば、ルミネの新井良亮社長は今年2月27日付の繊研新聞で次のような発言をしている。「価値のある物を適正な価格で販売する。販売者側が日本の伝統的な繊維の産地に対して、その価値に見合った対価を払い、日本の産地を守っていくことも社会的な責務」。

 しかし、産地支援を理由にすることには全く賛同できない。「価値のある物を適正な価格で販売する」ことには多いに賛成だ。しかし、その後がいただけない。

 まず、現在の日本の衣料品の95%以上が海外で縫製されている。そのほとんどは中国をはじめとするアジア諸国である。だから、いくら定価販売期間を延ばして利益を確保したところで、日本の産地はほとんど潤わない。

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「「産地支援」はバーゲン後ろ倒しの理由にならない」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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