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知財と税金の意外な関係

グローバルタックスマネジメントで企業競争力を高める

2013年6月12日(水)

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 日本の法定実効税率は平成24年4月1日以降開始事業年度より38.01%に下がったとはいえ、世界的に見れば米国(40.75%)に並ぶ高い国である(財務省「法人所得課税の実効税率の国際比較」参照)。タックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれる法人税の低い国や地域、優遇税制などのメリットを巧みに活用した“グローバルタックスマネジメント”を実施している大企業の話題が後を絶たないが、例えば図1にある通り、日本国内で税金を納める企業が、低い法人税率を誇るアイルランドと同額の分配可能所得を得るためには、アイルランドと比較して1.5倍の利益を稼ぐ必要があると試算される。「どこで税金を払うか」という問題が、企業間競争において強い影響力があることは言うまでもない。

図1:アイルランドと同額の分配可能所得を実現するために必要な利益増加率
出所 アイルランド政府産業開発庁、アイルランドの税制

 2012年11月、英国議会の公聴会で米国を代表する企業である米グーグル、米アマゾン・ドット・コム、米スターバックスの幹部らが同国での課税を回避しているとして糾弾を受けた。スターバックスは、英国内において累計30億ポンド(約4200億円)の売上高に対し連結ベースの利益率(15.5%、スターバックスの2012年Annual Reportより)より4億7千万ポンド(約650億円)の税引前利益が推定されるが、支払い法人税額は860万ポンド(約12億円)にとどまっていたという。

 これら大企業のグローバルタックスマネジメント戦略は、法人税率の低い国で課税所得を引き上げ、税率の高い国で所得を圧縮するという非常にシンプルな仕組みと、テクニカルな知的財産のグループ内での最適配置に基づくものである。今回は、これら大企業のグローバルタックスマネジメントを可能にした、知的財産のマネジメント手法に着目し、節税スキームの事例紹介とその解説を試みたい。

グローバル化する知的財産

 一般的に知的財産に関する権利の帰属先は、研究開発を誰が行い、誰がリスク負担(≒費用負担)をしたかによって決定される。これまで日本企業は、日本国内でのみ研究開発活動を実施し、知的財産を保有、海外子会社に対してはライセンスを付与するケースが多かった。今日、技術・ノウハウなどの獲得を目的としたM&Aや特許権の売買、海外での研究開発・生産拠点や市場の確保に対する積極的な海外展開による外国特許出願の増加により、企業が保有する知的財産のグローバル化が進行している(図2)。

図2:知的財産のグローバル化の背景

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「知財と税金の意外な関係」の著者

小林 誠

小林 誠(こばやし・まこと)

AIPE認定 知的財産アナリスト

製造業を中心としたクロスボーダーのM&Aアドバイザリー、知的財産デューデリジェンス、知的財産価値評価、技術起点の新規事業開発支援、知的財産マネジメントコンサルティングなどの業務を専門とする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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