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もったいないブラジル

サッカー代表にも思わぬ落とし穴

2013年6月13日(木)

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 2014年のサッカーワールドカップの前哨戦となるコンフェデレーションズカップの開幕を2週間後に控えた6月2日、決勝戦の会場となるリオデジャネイロのマラカナン競技場では、ブラジル対イングランドの親善試合が開催された。

スタジアムは完成したが…

 注目はブラジル代表が万全の態勢かという点で、結果は2対2のドロー。ひとまず安堵したというのが、地元ブラジルファンの本音かもしれない。

 そして、もう1つ大会関係者の注目を集めたことがある。果たしてマラカナン競技場の受け入れ態勢も万全かということだった。

 この競技場が注目の的になった背景には、2013年のコンフェデ杯および2014年のワールドカップに向けた競技場などのインフラ整備の遅れがある。今回のコンフェデ杯は、国内6会場(ベロオリゾンテ、ブラジリア、フォルタレーザ、レシフェ、リオデジャネイロ、サルバドール)で開催される。競技場はいずれも新築もしくは改修されることになっていたが、終了するまでのプロセスでは、大会関係者は大いに気を揉んだ。

 例えば、マラカナン競技場の場合、当初は改修費用が6億レアル(約300億円、1レアル=約50円)で2012年12月までに完成する予定になっていた。ところが、実際の改修費用は5億レアル増しの約11億レアル(550億円)に膨れあがり、工期は4カ月も遅れ、今年4月にずれ込んだと報じられている。

 完成したのだから文句あるまいという指摘もあるかもしれないし、テレビでこけら落としのゲームを見る限りは立派な競技場が出来上がったように見える。

年末に向け「駆け込み」相次ぐ

 ただし、結果オーライというその場しのぎで開き直るようだと、ブラジルが国際競争社会から何も学んでいないことになる。

マラカナン競技場改修の様子:2012年時点

 このような駆け込みスタイルの競技場完成は、リオデジャネイロにとどまらず、ブラジリアやサルバドールでも見受けられた。日本代表がブラジル代表と開幕戦を迎える首都ブラジリアの競技場も改修が終わったのは2013年4月下旬と、つい先日のことだった。

 2014年のサッカーワールドカップを控え、残り6競技場(クイアバ、クリチバ、マナウス、ナタル、ポルトアレグレ、サンパウロ)の新築・改修工事の終了締め切りが2013年末とされているが、現時点ではいずれの競技場も完成にはほど遠い。今年の終わりごろには再び駆け込みスタイルをお目にかけることになる。

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「もったいないブラジル」の著者

紀井 寿雄

紀井 寿雄(きい・としお)

ジェトロ・サンパウロディレクター

1998年、日本貿易振興会(現・日本貿易振興機構=ジェトロ)に入会。2004~07年、在ウルグアイ日本国大使館で経済担当書記官。2010年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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