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日本市場は米セキュリティ会社に席巻される?

スマートメーター導入の死角(2)

2013年6月13日(木)

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 前回の「ハッカーが電力を狙い撃ちする日」では、次世代電力計いわゆる「スマートメーター」の普及が、「電力網のオープン化」を意味することを述べた。そして、スマートメーターのみならず、情報家電のようなIPアドレスが付与された機器が大量に導入されることにより、ハッキング等のサイバー攻撃に対する潜在的リスクが、今後、表面化する可能性を指摘した。

 日本では、電力分野のセキュリティに関する議論はあまり聞こえてこない。しかし、諸外国、特に米国では、重点的に対策が進められている。

米国の重要インフラにおけるサイバーセキュリティ対策の経緯
年月イベント内容
1998年5月大統領令第63号重要インフラ保護とサイバーセキュリティに関する連邦政府の取り組みの基盤となる指令。米国エネルギー省をエネルギーセクターの主導機関に指定
2002年11月国土安全保障法9.11同時多発テロ事件を契機として、重要インフラの保護に関する責務全般を国土安全保障省に課した
2003年2月サイバーセキュリティ国家戦略策定サイバーセキュリティに関する国家戦略を策定
2003年12月国土安全保障に関する大統領令第7号国土安全保障省に重要インフラ及び主要リソースの特定、優先順位付け・保護を目的とした様々な取り組みを統合
2006年国家インフラ保護計画軍事産業基盤、エネルギー、医療・公衆衛生、原子炉・核物質・核廃棄物、情報技術、郵便・運送、交通システム、政府施設などを重要インフラに指定
2006年ロードマップ発表米国エネルギー省が「エネルギーセクターにおける制御システムのセキュリティ確保のための2006年ロードマップ」を発表
2007年5月エネルギーセクター計画エネルギー政府調整協議会が電力・石油・天然ガスセクターの調整機関と連携し、国家インフラ保護計画への提言として策定
2009年6月サイバースペース政策見直し連邦政府全体のサイバーセキュリティ政策及び企画を担当するサイバーセキュリティ調整官をホワイトハウス内に設置することを決定
2010年9月ガイドライン公開「スマートグリッド・サイバーセキュリティに関するガイドライン」を発表
2011年9月ロードマップ改定「エネルギー供給システムにおけるサイバーセキュリティ確保のための2011年ロードマップ」を発表。今後10年間の戦略的枠組みの概要を示す
2011年ガイドライン公開米国エネルギー省が「電力業界におけるサイバーセキュリティリスクの管理ガイドライン」を発表
2011年重要インフラ保護の信頼性基準公開「重要インフラ保護の信頼性基準」に関する規則を公開
2013年2月大統領令重要インフラに関係する企業に対して、リスク軽減を図るためのサイバーセキュリティ関連の基準を定めるフレームワーク策定を指示

米国は10年先行

 早くよりサイバー分野でのセキュリティ対策の必要性を認識していた米国では、スマートメーターの導入以前から、電力、通信、金融といった重要インフラ分野でセキュリティ対策を強化してきた。

 発端は、重要インフラ保護とサイバーセキュリティに関する連邦政府の取り組みの基盤を確立するために、1998年5月に発令した大統領令第63号である。重要インフラのうちの1つであるエネルギー分野においては、米国エネルギー省を主導機関に指定し、サイバー攻撃に関する情報共有・分析を目的とした情報共有分析センターを設立。これにより、セキュリティ対策の本格的な検討が始まった。

 2002年11月には、9.11同時多発テロを踏まえ、各省に分散していた、重要インフラ保護に関する責務全般を国土安全保障省に統合した。翌2003年12月には、国土安全保障に関する大統領令第7号により、重要インフラ、保護資源の特定、優先順位付けなどの活動を国土安全保障省が一元的に担う体制を整えた。その際、サイバーセキュリティ対策に高い優先順位を置くことを決めている。

 電力分野については、2006年に米国エネルギー省が「エネルギー分野における制御システムのセキュリティ確保のための2006年ロードマップ」を策定している。2010年9月には、米国国立標準技術研究所が「スマートグリッド・サイバーセキュリティに関するガイドライン」を発表するなど、スマートグリッド社会の到来を見据えて、より実践的な対策が示された。

 最近では、2011年に米国エネルギー省が、「エネルギー供給システムにおけるサイバーセキュリティ確保のための2011年ロードマップ」を改定している。今後10年間の戦略的枠組みを示すなど、電力分野、特にスマートグリッドにおけるセキュリティ対策を強く推し進めている。

 すでに数多くの実証研究も始まっている。

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「日本市場は米セキュリティ会社に席巻される?」の著者

段野 孝一郎

段野 孝一郎(だんの・こういちろう)

日本総合研究所シニアマネジャー

京都大学大学院工学研究科博士前期課程修了(工学修士)。エネルギー、通信、交通、水道などの社会インフラ企業の新規事業検討や事業領域拡大に関するコンサルティングに従事。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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