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27年経っても続く放射能との闘い

福島に求められる核との共生

2013年6月11日(火)

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今年4月26日で事故から27年を迎えたチェルノブイリ原子力発電所。人々の生活を脅かし続ける核汚染の現場にこのたび、記者が入った。原発周辺の汚染地帯を歩きながら、同様の原発事故が起きた福島の未来について考える。

 チェルノブイリ原発から北東に約175kmも離れたロシア・ブリャンスク州ノボズィプコフ。

ノボズィプコフの中心街

 ベラルーシとの国境に接し、行商で賑わう街だ。特段の観光施設やビジネスの拠点もなく、足を踏み入れた日本人もほとんどいない。

 「爆心地」から遠く離れたこの都市も「核のゴミ」で汚染されている。原発からほど近いプリピャチと大きく異なる点は、「27年間も人が住み続けている」ことだ。正確には移住する権利も与えられているが、そのまま住み続けている人や、帰還者も多い。

 現在でも市街地のある計測地点の線量は0.5マイクロシーベルト/時。自然放射線量の10倍ほどの値だ。年間では3ミリシーベルト以上。現地の法律が定める汚染地帯の基準1ミリシーベルト/年を大きく超える。

 風向きの影響で、街は不幸にもホットスポットになってしまった。ところが、今、露天の朝市では、地産のベリーや干しキノコなどが平然と並び、人々で賑わっている。

 「露天で売られているものはきちんと検査されているかどうか分からない。マーケットで売られているものは検査されているので大丈夫だ」と地元住民は語る。

露天ではキノコやベリーが売られている

 ソ連崩壊直前の1991年。事故から5年を経て、旧ソ連全土の詳細な汚染マップが作成されたことで、この地の汚染の深刻さに、多くの市民が気付きだしたが、時すでに遅し。小児甲状腺がんが多発するなどの内部被曝の影響が出始めていた。

 同時に除染が始まった。屋根を葺き替え、学校や家屋周囲の土は、深さ25cm分を削った。大部分の露地はアスファルトで「蓋」をして済ませた。下がったのは、線量の約15%だけ。しかし除染前はあった就学児の外出制限が、今では一切ない。

 福島の多くの自治体では、汚染土の貯蔵場所を巡って迷走が続いているが、ノボズィプコフ市の場合は、市内のより線量の高い地区に貯蔵施設が造られた。今は閉鎖され、その場所を知る市民にはほとんどいない。

 ちなみにチェルノブイリ原発自体の「核のゴミ」も、原発敷地内で保管されている。「汚染物質は汚染地帯に葬るのが最も合理的」。そう語る現地人は多い。

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「27年経っても続く放射能との闘い」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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