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実は世界の最先端だった旧石器時代の日本列島

国立科学博物館・人類史研究グループ(5)

2013年6月20日(木)

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 旧石器時代のホモ・サピエンスについて人類学と考古学が一緒になって研究するというのは、言われてみれば当たり前のことだ。人間は生物であるけれど、文化的な存在である。両方のアプローチから攻めるのが正当であろう。

 そして、実際、欧米ではごく普通の光景だそうだ。例えば同じ学術雑誌に両方の論文が掲載される。しかし、アジア、もちろん日本では、そうなっていない。ぼくが、ふと思ったのは、大学に入る時の「入り口」の問題。人類学は理系で、考古学は文系という括りがなんとなくできていて、いわゆる文理の壁が隔てているという構図だ。

「それは大きいと思います」と海部さん。「僕も今思い起こすと、大学時代に考古学を学ぶチャンスってなかったんですよね。今になって学び出して、すごい面白いじゃんって思いながらやってます。勉強するのも楽しいし、一緒に仕事するのも楽しい。あと、日本の事情として、特に旧石器時代で言えば、主要四島から人骨はほとんど出ないんです。土壌が酸性のところが多くて、石器は残っても人骨はなくなってしまう。本州には旧石器の遺跡が1万ぐらいあるんですけど、骨が出ないので今まで人類学者は寄りつかなかったんです。日本で人骨がたくさん出るのは沖縄だけなんですよ。でも逆に沖縄では旧石器が出ないので、考古学者が来ない。不思議な偶然の分離があって、意図しない住み分けが起こっていたというのもあります」

 というわけで、今後、日本の人類学と考古学交流が進むと、modern human behavior、「現代人的行動」の研究が加速する可能性がある。それぞれ深めた知見を組合わせて、世界にフィードバックすることで、「空白地帯」が少なからず埋まるかもしれない。

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「実は世界の最先端だった旧石器時代の日本列島」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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