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診察室のテーブルに引き出しはいらない

北九州・芳野病院の人を活かす経営

2013年6月13日(木)

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 大規模な急性期病院であれば、最新の医療機器を使った高度な治療を行うため、先端の知識を得たり、経験を積みたいと考える優秀な医療従事者を集めることができる。だが、亜急性期と回復期の患者に特化する芳野病院は、ほかの多くの中規模病院と同様、高いモチベーションを持つ職員を集めるのに苦労した経験を持つ。

 そこで、芳野病院では、病棟などを再編すると同時に、職員が働く環境の整備にも取り組んできた。

「結婚しても働きたい」

 芳野病院が病棟編成の改革をトップダウンで進めている時、その動きとは独立して、働く環境の整備に関する議論がボトムアップの形で始まった。ジョギングやソフトボール、フットサルなど約10あるクラブ活動の日程調整を行う病院内のミーティングにおいて、ある女性職員が「結婚しても、出産しても働き続けたい」と何気なく発言したことがきっかけだった。

 当時は結婚や出産を理由に退職する女性職員も多かった。そのため、議論では保育園の整備や短時間勤務の制度化などの意見が出て、それらの意見を総務部長に提案した。この提案を受けて、病院は「職場環境改善提案会議」という職員の意見交換の場を設けた。2003年のことだ。

 職場環境の整備としてまず取り組んだのが、男女を問わない育児休業の取得推進だ。この取り組により、2004年から育児休業の取得が急激に増え、2007年には初めて男性が育児休業を取得した。今では、女性の育児休業取得及び職場復帰はほぼ100%となり、男性職員も1週間から1ケ月間程度の育児休暇を徐々に取得するようになっている。

 育児休業で長期間にわたって職場を離れる女性職員には、院内報を送付するだけでなく、定期的に職場に来る機会を設け、情報交換することで職場復帰への準備をしやすくした。

 続いて2006年には、育児や介護のための短時間勤務制度を導入した。福利厚生はそのままで、1日の勤務時間を1~2時間短縮できる。また子供が夏休みの間だけ時間短縮するといったようにフレキシブルに取得できるのが特徴だ。当初は小学校2年生未満の子供を持つ親を対象にした制度であったが、2008年からは介護目的でも利用ができるようになった。この制度を利用する職員は年々増え続けている。2006年の利用者は7人だったが、現在は32人が利用している。

 一般的に病院は有給休暇の取得がしづらい職場である。芳野病院でも有給休暇の消化率は40%程度にとどまっている。さらに勤務シフトの関係で連続した休暇を取りづらいことに対する不満も出ていた。そこで2007年に、既卒職員では勤続1年以上、新卒職員では勤続2年以上の全ての職員を対象に、夏季休暇や正月休暇とは別に、1週間の連続休暇を取得できる制度を作った。

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「診察室のテーブルに引き出しはいらない」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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