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かわいそうなくらい孤独な経営者

ナンバー2とも悩みを共有できない

2013年6月17日(月)

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学問としてではなく、実地の経営者に必要な「経営」を教える場所がない。稲盛和夫氏はそう考えて盛和塾を設立しました。「経営者は孤独である」「従業員をどうまとめていけばいいのか分からない」「経営者としてもっと向上したい」――こうした3つの理由から、この学び舎に通う経営者が増えていると、稲盛氏は考えています。第1回は、こうした時代背景について稲盛氏が語ります。

 「おやじの後を継ぎたくない、中小零細企業なんていうのはみっともない」

 そう言っていた息子が、おやじさんの説得を聞き入れて帰ってきたのはいいのですが、惰性で経営している例がよくあります。「おれはいい大学を出て、大きな会社で力を発揮していたのに、おやじのために帰ってきてやったんだ」という気持ちでは絶対にうまくいかない。最近盛和塾に入ってくる人には、そういう2代目、3代目が非常に多い。

 そんな息子たちは経営者としての自覚が何もない。努力もしない。それなのに専務などの肩書と、高い給料をもらって偉そうにしている。苦労して働いている従業員から見たら、「何と人間ができていないやつが専務面をしているのか」と嫌になる。経営のケの字も知らんくせに経営者ぶっておるものだから、会社がうまくいかなくなるのは当然です。

盛和塾で中小企業経営者を鍛える稲盛和夫氏(写真:大亀京助)

 やり方によってはもっともっと伸びていきそうな中小企業が、世襲によって駄目になる。そんな息子が盛和塾に入ってくると、コテンパンにやります。「経営とはそんなもんやない、根本から考え直しなさい」と教えています。経営とはかくあるべし、ということにそこで初めて気がついて、ようやくゼロから動き出すのです。

 私が盛和塾を始めたのも、経営とはそんなもんじゃないと教えたかったからです。

 大学の経済、経営学部を出ても、ほとんど会計を学んでいない。税理士や会計士に月々お金を払って帳面を見てもらい、「今月は儲かりましたよ」「今月は赤字でしたよ」と教えてもらって、「ああ、そうですか」というやり取りだけ。どうすれば黒字や赤字になるのかを理解していない。そういう人たちが経営をやっている。

コメント11件コメント/レビュー

昔、「俺は社長しかできない」と言った二代目経営者のもとで働いたことがあります。 バランスシート読めなかったですね、この方。 社長以下の仕事は実技が伴う。 それを持っていないから、社長しかできなくて、ただ経営判断をしていればいい。 というか威張っていればいい。 あるいは茶道とかその人なりに考えた社長の道を究めることに精を尽くす。でも、それはちょっと違うでしょう。 そんなことでは社長すらできないでしょうというのが私の感想でした。これが日本に漂う閉塞感を生む土壌でしょう。(2013/06/17)

「稲盛和夫氏が語る「盛和塾」」のバックナンバー

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「かわいそうなくらい孤独な経営者」の著者

北方 雅人

北方 雅人(ほっぽう・まさと)

日経トップリーダー編集長

1991年一橋大学社会学部卒業後、日経BP社に入社。日経ベンチャー(現日経トップリーダー)、日経レストランなど経営誌の編集部を経て、2010年より日経トップリーダー副編集長。17年1月より現職。中小企業経営のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

昔、「俺は社長しかできない」と言った二代目経営者のもとで働いたことがあります。 バランスシート読めなかったですね、この方。 社長以下の仕事は実技が伴う。 それを持っていないから、社長しかできなくて、ただ経営判断をしていればいい。 というか威張っていればいい。 あるいは茶道とかその人なりに考えた社長の道を究めることに精を尽くす。でも、それはちょっと違うでしょう。 そんなことでは社長すらできないでしょうというのが私の感想でした。これが日本に漂う閉塞感を生む土壌でしょう。(2013/06/17)

そんなに厳しいんだったら大企業で活躍させておいたほうが本人にっとっては幸せじゃないですか。いまどき苦しくて辛いの承知で中小企業の跡を継ぐ若者なんていませんよ。とっととM&Aすればいいじゃないですか。(2013/06/17)

稲盛イズムと言えばよいのでしょうか、やはり一代で企業を創設し、成長させてきた方ですから、本田宗一郎氏や松下幸之助氏等と(一様に並べてよいかどうかは別として)同じく経営哲学に結果と確信があります。企業の栄枯盛衰を人生になぞらえて35年という一区切りの数値もあったりしますが、人間の成長と企業の成長が似ているのも、やはり人が企業を経営しているからこそでしょう。人の生命を超えて企業が成長し続ける為には、その根幹にエネルギーのダイナミズムが必要だと。枯れることの無いファイティングスピリッツと、飽くなき探究心。一人の人間が生きてもせいぜい社会貢献できる時間は、40年も無いくらい。最初の10年は、鍛錬の時間で、最後の10年は育成の時間。長いようで短い人生では無いでしょうか。経営者は孤独などと考える余裕は本当は無いのかも知れません。日本の経営者諸氏に、がんばれの『エール』を送りたい。何せ、彼らがこの国のダイナミズムの象徴的な存在だから。(2013/06/17)

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