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学習障害からジプシー教育まで、世界の教育を変える「破壊力」

藤原和博×税所篤快対談 「創業型の人間だけじゃ組織は続かない」

2013年6月21日(金)

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 途上国の貧しい学生にも教育の機会を提供しようと、2010年から映像を使って授業を行う「e-Education」プロジェクトを手掛けてきた「アツ」こと早稲田大学の学生、税所篤快さん。

 始めに手掛けたアジア最貧国・バングラデシュでのプロジェクトでは、国内最難関であるダッカ大学への合格者を輩出するなど目覚ましい成果を上げた。2012年にはバングラデシュを飛び出し、活動に共鳴する仲間の力を得て、ヨルダンのパレスチナ難民キャンプ、ルワンダでもe-Educationを実践。さらに、パレスチナ自治区・ガザ地区では、教師向けに学習障害の生徒に対する指導方法を教えるプロジェクトにも挑んだ。

 2012年秋以降は、アジアの国々で、仲間が1から立ち上げたプロジェクトもスタート。世界を舞台に、漫画にちなんで「5大陸『ドラゴン桜』」と名付けた教育革命が進行中だ。

 2011年以降、税所さんの活動を支援してきた「メンター」の1人、元リクルートフェローで元杉並区立和田中学校校長の藤原和博さんとの対談を2回に分けてお送りする。第1回目の今回は、税所さんから現在、進行中の活動の内容を報告してもらった。e-Educationが今後どのような方向に進んでいくべきかを大いに語ってもらった。

税所:藤原先生と初めてお会いしたのは1年半前。2011年の終わり頃のことですね。

藤原:そう。あなたが僕の講演会に来たんだよね。

税所:ちょうど「この後どうしよう……」と悩んでいた時期だったんです。講演会の後、僕が書いた本『前へ! 前へ! 前へ!』(木楽舎)を渡して、一度、時間を作ってくださいと頼み込んだのが始まりです。後日、渋谷のカフェでいろいろお話しさせてもらいました。

 僕は2010年から、アジア最貧国のバングラデシュで教育格差解消を目指したプロジェクトを進めていました。教育を受ける機会がない貧しい家庭でも大学を受験できるよう、優秀な教師の授業風景を撮影し、収録したDVDを使って無料で授業を行う「e-Education」を始めたのです。現地パートナーのマヒン(本名アブドル・モティン・セイク)とともに行ったe-Educationの結果は上々で、バングラデシュの「東大」と呼ばれるダッカ大学への合格者も誕生しました。

 2011年にはワタミと資本提携関係を結び、e-Educationをバングラデシュ全土に広げようとしたのですが、僕自身の力不足もあってうまくいかなかった。藤原先生にお会いしたのは、自信を失いかけ、モヤモヤしている時でした。

 先生は「お前が世界で破壊すればするほど、創造的な影響を日本の同世代に与えられる。もっと突き抜けてやったらいいじゃないか」とアドバイスをくださった。憑き物を落としてもらったような気がしました。

藤原:本を読んで、すごく破壊力のある面白いヤツだと思ったし、やっている方向性も全く正しい取り組みだったからね。

 僕自身、少し後にバングラデシュの現地視察にも行きました。みんな明治時代の日本のように貧しい暮らしをしているんだよね。それでも、マヒンの実家に行ったら、普段の食卓には上がらないような貴重な魚肉を入れた料理でもてなしてくれてね。

 ある時、マヒンの家と道路を挟んで反対側をぷらぷら散歩してたら、英語で話しかけてくる女の子がいたの。どうやらマヒンの親戚らしいんだけど、その子は都会の私立の学校に行っていた。つまり、成功した家なんだよ。朝からフルーツを食べたりしてて、マヒンの家とは明らかに違う。貧富の差が厳然としてあることを痛感したよ。

 現地で、そういう雰囲気のすべてを感じ取って、税所は「試行錯誤しながら頑張ってやっている」って本当に感心した。

税所:バングラデシュでの取り組みは漫画にちなんで「ドラゴン桜」と銘打っていたのですが、先生からのアドバイスを元に、僕なりの「世界での破壊」の答として、「5大陸『ドラゴン桜』」という大きな目標を掲げることにしました。

藤原:5大陸全部でe-Educationをやるっていう目標だよね。僕はアジアで集中的にやった方がいいって伝えた。資源も集中できるし、マネジメントもしやすいから。でも、税所は「5大陸じゃないとインパクトがない」って言うんだよ。インパクトというのは、つまりは同世代を引きつけられるかどうかということだと思う。それは税所なりの直感みたいなものだったのだろうけど、実は大事な部分でもある気がするんだよね。

 僕がいたリクルートという会社は、採用で成長した会社。今でこそ大企業のリクルートだけども、当時はまだまだベンチャー。第1志望で入ってくるような人材はなかなかいなかった。そこで、みんなが驚くようなことに手を着けて、関心を集め、入社につなげようとしていました。

 例えば、ある時は日本に一つしかないような超高性能のスーパーコンピューターを買った。おそらく日本で初めて買ったのがリクルートだった。一種の象徴、シンボルだよね。実際、そのシンボルに惹かれて、理系の学生がごそっと入社した。リクルート創業者の江副浩正さんは、人がいれば、仕事も生まれるという考え方をしていました。実際、それでリクルートは成長したのです。

 税所の象徴、シンボルは「5大陸」というキーワード。それを言ったことで人が集まってきた。そういう効果はあったと思うよ。

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「学習障害からジプシー教育まで、世界の教育を変える「破壊力」」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

藤原 和博

藤原 和博(ふじはら・かずひろ)

教育改革実践家

リクルートの敏腕営業担当から、都内で初めての民間出身の公立中学校の校長に転じた。斬新な手法で地域を挙げての教育体制を整え、校長退職後は全国にその手法を伝えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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