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国産アパレルがLVMHになるには

「垂直統合」でも「水平統合」でもなく「バーチャル型」のM&A を

2013年7月1日(月)

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グローバル経営の教科書
ZARA、H&M、LVHMなどファッション産業のメジャープレイヤーを徹底解剖!

 「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」の3つを柱にデフレ脱却と安定的な経済成長を目指していくアベノミクス。この3つはどれも密接に関連しているが、一時的な改善ではなく、持続的な成長を実現するには次代を担う成長戦略の構築が欠かせない。


 本連載では今後の成長産業として期待がかかる日本のカワイイ系ファッションとその舞台裏を見ていく(「カワイイ」を支えるファッションビジネスの現状や戦略については、編集部の新刊「グローバル経営の教科書――『カワイイ』を支えるファッションビジネス最前線」をご覧ください)。


 先日、大手アパレルのブランド責任者が、「当社の主要ブランドの売上が落ち込んでいる。起死回生の一発で新しいブランドを立ち上げたい」と相談にきた。破竹の勢いで成長したこのブランドも「流行の移り変わり」に翻弄され、旬が過ぎていた。

 しかも、このブランドはあまりに成功しすぎたため姉妹ブランドを続々と投入、特定のセグメントをお互いのブランドで食い合うカニバリズムに陥った。結果として、消費者はボトムを担っている安価ブランドに殺到、上位ブランドが自社の下位ブランドに食われ、売上が落ち込んでいたのだ。

今の日本で服を売っても儲からない!

 私はしばらく前に、日本の衣料品における総消費量と総生産量の割合を調べたことがある。結果は30%の過剰生産だった。日本の服は、30%は捨てられる前提で生産されているということだ。街を歩いてみれば、百貨店、ファッションビル、チェーンストア、インターネットには「服」が溢れている。

 加えて、日本の女性は、特に若い世代ほど服に「ブランド」間の違いを意識していない。例えば、買い物をしていて欲しいものがなければ、違うフロアで似たような服を探し、値段が高ければ、FOREVER 21やH&Mで探す。最近では、スマホやネットで探して購入する。今のアパレルビジネスは「安いモノ勝ち」である。

 こういう状況の中で新しい服のブランドを立ち上げることがどれほど厳しいか。水であふれかえっているコップに、さらに水をいれるようなものだ。今の日本で服など売っても儲からない。ゆえに、冒頭の相談を受けた時も、「これ以上服を作るのですか?」と問い返した。

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「国産アパレルがLVMHになるには」の著者

河合 拓

河合 拓(かわい・たく)

ジェネックスパートナーズ取締役

1991年に関西学院大学文学部を卒業し、同年、イトマンに入社。2000年に大手米系コンサルティングファームに転職した後、2004年ジェネックスパートナーズに。小売業や商社、卸売業などの事業戦略策定と実行支援を数多く手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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