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「経営とはどういうものか、これから見せてやる」

追っかけ塾生がつくった「稲盛和夫の部屋」

2013年7月4日(木)

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 「盛和塾」には、稲盛氏の講話を聞くため例会に毎回参加する「追っかけ塾生」がたくさんいます。中でも、塾生の間でよく知られているのが、米子市でダックスという会社を営む大畑憲氏。社内に「稲盛和夫の部屋」までつくってしまうほど稲盛氏に入れ込んでいます。なぜ、そこまで身も心も捧げているのでしょうか。その真意を探りました。(文中敬称略)

 米子空港から左手に日本海を眺めながら、車を走らせること20分。表通りから一本路地に入った住宅街で、大畑憲は出迎えてくれた。

 大畑は鳥取県米子市で、ダックスという会社を30年以上経営している。カーディーラーや消費者を相手に、自動車用のガラスを販売・交換するのが事業の柱だ。山陰・山陽エリアを中心に首都圏や東北など、全国に約20店を展開。大半の同業者は地元県内だけで経営しており、ダックスのように全国に積極展開する会社は珍しい。この業界で大畑の名前は、ちょっとした風雲児として通っている。

 実はダックスの本社は、大通り沿いの開けた場所にある。この住宅街にあるのは旧本社で、社員研修のときだけ使っている。普段は人けのない旧本社を訪れた理由は、ただ1つ。ある部屋を見せてもらうためだ。その名も「稲盛和夫の部屋」。

 「稲盛和夫の部屋」と控えめな字で書かれたドアを開けると、大人の背丈ほどもあるガラスケースが目に飛び込んできた。中をのぞき込むと、実際に稲盛が口をつけたグラスや、サイン入りの著書が飾られている。「稲盛塾長の温もりがあるグラスをどうしても手元に置いておきたくて、盛和塾の例会があったホテルのスタッフに頼み込み、こっそりもらってきました」と大畑は頭をかく。

 奥に進むと稲盛の全著書、全映像作品がそろう書棚がある。そして壁一面には稲盛のパネル写真の数々。にこやかに笑っている顔、険しい表情の顔、托鉢(たくはつ)修行をしているときの神妙な顔。大畑は経営のことで迷うと、「稲盛和夫の部屋」に1人でこもり、稲盛ならこの局面をどう切り抜けるのかと沈思黙考してきた。毎年元旦には稲盛の写真の前で最敬礼し、新年の誓いを立てるのが習わしになっている。

大畑がつくった「稲盛和夫の部屋」(写真:田頭義憲)

 「この部屋は私にとって神聖な場所です」

 大畑にとっては、さながら礼拝室か告悔室といったところか。建物の構造上、奥の部屋からトイレに行くときは、この「稲盛和夫の部屋」を通らなくてはならない。心に後ろめたいものがあるときは、すべてを見透かすような稲盛の視線を感じ、思わず足早に通り抜けてしまう。経営に自信があるときは、無意識のうちに胸を張ってゆっくり歩いている。

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「「経営とはどういうものか、これから見せてやる」」の著者

北方 雅人

北方 雅人(ほっぽう・まさと)

日経トップリーダー編集長

1991年一橋大学社会学部卒業後、日経BP社に入社。日経ベンチャー(現日経トップリーダー)、日経レストランなど経営誌の編集部を経て、2010年より日経トップリーダー副編集長。17年1月より現職。中小企業経営のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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