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中韓首脳会談のメッセージ:中国は韓国による統一を支持する

金正恩より朴槿恵が先に訪中したことの意味

  • 重村 智計

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2013年7月3日(水)

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 首脳会談は、時に、歴史を変え国際関係を激変させる。ニクソン米大統領(当時)と毛沢東・中国国家主席との1972年の会談や、レーガン米大統領(同)とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(同)による85年の米ソ首脳会談は、歴史を変えた。韓国の朴槿恵大統領と中国の習近平国家主席による今回の中韓首脳会談も、歴史を動かすことになるだろう。

 中国が、北朝鮮の指導者より先に韓国大統領と首脳会談を行うのは、初めてのことだ。会談は、中国の北朝鮮離れと韓国の中国傾斜を演出し、中韓が協力して「北朝鮮処分」を進めることを暗示した。

 首脳会談を理解するのに必要なのは、共同声明を十分に読みこなすことだ。共同声明の行間には、真実が隠されている。これを読みこなすコツは、(1)当事国の関係の変化、(2)国際関係への影響、(3)日本への影響――の3つを軸に考えることだ。

 まず、中韓首脳会談の主題は、「北朝鮮への共同対処」と中韓経済問題で、対日対策ではなかった。このため、両首脳は日本を名指しで批判することを避け、領土問題に言及しなかった。韓国側は、当初は歴史問題への言及も避けたかった。

 韓国の朴槿恵大統領は、6月27日から30日まで中国を訪問した。この訪中に、最も強い関心を寄せたのは、北朝鮮であった。文字通り、中韓両首脳の一挙一動の意図を読み取ろうとしていた。

北朝鮮裏切る中国

 北朝鮮は、長い歴史の中で何度も中国に裏切られた、との不信感を抱いている。20年ごとに、中国は北朝鮮を裏切り、国際政治を激変させてきた。最初は、72年のニクソン訪中だった。北朝鮮に事前に相談することなく、極秘に米中和解が実現した。中韓の国交正常化(92年)も、北朝鮮が反対したにもかかわらず、行われた。中国は今回も、金正恩・第1書記の訪中を受け入れなかったにもかかわらず、朴槿恵大統領を先に招待した。北朝鮮にとっては明らかな裏切りだ。

 朝鮮半島の指導者を支える価値観は「体面」と「正統性」である。今回の中韓首脳会談は、北朝鮮指導者の「体面」を汚し、中国が金正恩体制を支持しているとの「正統性」も失わしめた。

 中国は韓国との共同声明に「南北の平和統一」を支持すると明記した。これは、韓国が取る統一政策を支持することを意味する。北朝鮮は「自主的平和統一」が基本政策だ。「南北の平和統一」と「自主的平和統一」とは何が違うのか。「自主的」とは「在韓米軍の撤退」と「中米の干渉なしの統一」を意味する。中国が、あえて「自主的」の言葉を使わなかった意味は大きい。「北朝鮮の統一政策を支持しない」との意味になる。

 また、習近平国家主席は朴槿恵大統領が呼びかける「朝鮮半島信頼構築プロセス」に対して「歓迎」の意を表明した。北朝鮮は、韓国による半島統一を中国が想定している、と受け止めただろう。

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