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タイで活躍する女性管理職、大黒柱としての活用術

2013年7月9日(火)

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 海外進出しようとする企業を悩ませ逡巡させるのが、設立までの手続きと運営体制の確立である。

 どちらも言葉の壁が立ちはだかり、海外では自分が思い描いた筋書き通りに事は進まない。一過性である設立手続きは、するべきことが明瞭な分だけ、外部コンサルタントの活用などでも対処できるが、不断の努力が物を言う運営体制の確立は、内発的な活動が欠かせない。

 今回はタイでの建設的な会社運営の基盤作り(人材の採用と育成)について提言する。

訳者では代弁者になれない

 国内外を問わず、磐石な会社運営には優秀な人材の確保が必須だ。前回のコラムで解説したように、将来のタイ人管理職(現地の大黒柱)候補者層が厚い地域に立地することが、成功への第一歩であるが、腐心した採用は始まりに過ぎない。採用した人材を大黒柱に育成するのは、あくまでも日本人、本社の役目である。

 組織の長と呼ばれる要職者には、共通して懐刀や右腕と呼ばれる腹心の部下がいる。自分一人だけでは意思や思考、業務方針や姿勢などを広く伝えるのには限界があるからだ。腹心は上司の真意を咀嚼し、不十分な点を補完・補強した上で関係各所に周知徹底を図る役目を担う。

 海外拠点でも、腹心の必要性は同然であるばかりか、さらには「直訳」ではない、現地語への「意訳」という使命《注1》が咀嚼という言葉に包含される。

《注1》 「直訳」原文に忠実に一語一語をたどるように訳すこと。「意訳」原文の一語一語にとらわれず、全体の意味やニュアンスをくみとって訳すこと。

 どの企業にも長年育まれた固有の風土(社風)があり、それを規範として組織は運営され、要職者の言動にも表れる。そして企業風土は海外拠点へ伝播し、現地の文化・風習と融合されることで、グループ企業としての様式を保ちながら現地化へと到達する。

 その橋渡しができるのは、日本人であれ、タイ人であれ、外部の訳者(通訳者や翻訳者)《注2》と言われる人々ではない。あくまでも企業の水で育った内部の人間でしか、企業風土に即した「意訳」は成し得ない。さらに“母国語に向かって訳す”という訳業の大原則に従えば、言うまでもなく橋渡し役はタイ人の他にはいない。

《注2》 当たり前だが、タイで訳者を探せば「日本語⇔タイ語」が斡旋される。現地スタッフに直接タイ語で説明してくれると喜んでいると、異訳に気づかず後で痛い目に合うことが多い。この原因は「まともな日本語を話さない日本人」と「専門用語とその企業の特有の言い回し(方言)についてゆけない訳者」であり、相乗した結果が異訳をもたらす。

 企業風土とタイの文化・風習を融合させ、本社の指示・意向を代弁する者[Spokesperson]として、言葉の壁を乗り越えて活躍する大黒柱[Go-to person]を我々は育成しなくてはならない。

 その代弁者たるタイ人への意思伝達は何語であるべきか。日本語であれば越したことはないが、現地の採用条件としては高嶺であることと、何より本社の指示・意向の共通認識下に置くべきタイ人が単数である状況はリスクヘッジの観点から避けなければならない。これらを勘案し、日本人の第一外国語が英語である以上、社内公用語は英語である。

代弁者の位置付け(融合と伝達)

 重ねるが、自分自身が英語やタイ語を操れないからと言って、訳者の能力《注3》以上に過度な期待を求めるのは“つまずき”の元である。努力を惜しまず腹心の代弁者を育て、自らも英語を研鑽するしか、苦汁から逃れる術はない。

《注3》 訳者選びも適材適所が大切。設立手続きなど定型内容を迅速・確実にタイ語に翻訳する場面は「日本語⇔タイ語」訳者の選択もあり。他方、予算書などコンセプチュアルな資料は社内公用語を介する「日本語⇔英語⇔タイ語」の2段訳方式となるので、英文の後編集を「日本語⇔英語」訳者に依頼することは有効である。

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「タイで活躍する女性管理職、大黒柱としての活用術」の著者

加藤 耕介

加藤 耕介(かとう・こうすけ)

ITストラテジスト/EBT代表

2輪車メーカー、コンサル業界を経て、空調メーカーにてグローバルSCM構築の中心的役割を果たす。タイの生産拠点をハブにした業務改革・IT導入を実施。「企業における業務改革の主治医」を志しEBT設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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