• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米国の諜報活動、支えているのは「派遣社員」

スノーデン問題で明らかになる軍産複合体の真実

2013年7月23日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ブーズ・アレン・ハミルトン――。

 この名前を聞いてピンと来る人はあまり多くないだろう。米国人でさえ、知っている人は一握りである。

 首都ワシントン郊外バージニア州に本社を構える民間のコンサルティング会社だ。6月初旬から世界中で話題になっているエドワード・スノーデン氏の雇用先である。正確には「雇用先だった」と過去形にすべきだろう。

 日本のメディアはこれまで同氏の肩書きを、中央情報局(CIA)か国家安全保障局(NSA)の元職員と紹介している。間違いではないが、実は今年5月までブーズ・アレン・ハミルトンの契約社員だった。そこから派遣された人間として、ハワイ・オアフ島にあるNSAのシギント(Sigint=電子機器による諜報活動)工作を行う地下軍事施設に勤務していた。

 同氏は米政府が膨大な個人情報を極秘に収集・分析していたことを暴露したが、特別な指命を受けたエージェント(スパイ)だったわけではない。高校を中退した同氏がほぼ独学で身につけたIT技術を買われ、情報技術の支援要員として雇われていただけだ。暴露された内容は既知の事実であり、氷山の一角に過ぎない。

5兆円の諜報活動予算、7割は民間企業に

 この問題は今、違う方向に動き始めている。米諜報活動の核心をあぶり出すことになってきたのだ。いまや米国のスパイ活動はスノーデン氏が勤務していたブーズ・アレン・ハミルトンなどの民間企業の協力なくしては立ち行かなくなっている。それを如実に表す数字がある。

 米国の諜報機関はCIAやNSA、国防情報局(DIA)、国家偵察局(NRO)など実に17組織におよぶ。どの組織も予算はほとんど非公開だが、諜報活動の年間総額は520億ドル(5兆2000億円)に達すると言われている。

 スパイ活動に日本の防衛費(約4兆7500億円)よりも多額の予算をつぎ込んでいるのだ。驚くべきは、その約7割を民間の契約企業が握り、業務を請け負っているという事実だ。

 先月、米通信社ブルームバーグは、米諜報機関が契約する企業数は小さなところも含めると数千社に上ると報道した。スノーデン氏のいたブーズ・アレン・ハミルトンは最大手であり、年間売上(約5760億円)の99%を税金、つまり政府からの契約金が占める。社員数は2万4500人にのぼる。

 ブーズ・アレン・ハミルトンという名前は日本人にとっては憶えにくい。というのも、米法律事務所によくあるパートナー(共同経営者)の姓名をつなぎ合わせた名称だからだ。1914年にエドウィン・ブーズ氏が経営コンサルタント事務所を起ち上げ、のちにジェームズ・アレン氏とカール・ハミルトン氏が加わった。当時は企業経営のコンサルティングに焦点が絞られていた。戦前から経営コンサルタント業があったのだ。

コメント0

「アメリカのイマを読む」のバックナンバー

一覧

「米国の諜報活動、支えているのは「派遣社員」」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官