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“丸投げ”ユーザーから脱却せよ、比較検証でタイの会社設立を極める

2013年7月25日(木)

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 概して諸官庁への申請は難解で杓子定規《注1》である。特に経験がない初めての場合は敷居が高い。その結果、自分ではやりたくないと言う生理的な拒絶反応にビジネスがつけ入り、コンサルタント(私もその一人であるが)と言う生業が成立するのである。

《注1》 決して難解なルールと杓子定規な運用が悪い訳ではない。納める側と受け取る側の双方に対して弾力的な対応を続けた顛末が「年金記録問題」であることを考えれば、規則に従った手続きは後々のトラブルを回避する上で不可欠である。

 その申請が海外であればなおさらで、外部コンサルタントを活用する心情は至当であり、言葉の壁を乗り越える上でも賢明な判断である。その一方で、他人任せでは進捗に苛立ち、難儀に疑念が膨らみ、心労ばかりが重なってしまう。

 今回は、タイでの会社設立にあたり、健全かつ正当なビジネスパートナーとして、外部コンサルタントを効果的に活用する“丸投げしない”ための必要知識を解説する。

法人形態と外国人事業法

 タイで設立する会社には、大きく分けて4つの法人形態がある。

・普通パートナーシップ[Registered Ordinary Partnership]
・有限パートナーシップ[Limited Partnership]
・非公開株式会社[Company Limited]
・公開株式会社[Public Company Limited]

 日本で言うところの合名会社が普通パートナーシップ、合資会社が有限パートナーシップに相当する。どちらも無限責任の出資者が必要なことと所有と経営が分離されない形態のため、タイ進出を目指すほとんどの企業が、非上場の非公開株式会社(上場する場合は公開株式会社)を選択している。

 タイは外国企業を含む外国人の事業活動を制限(外資規制)しており、外国資本マジョリティ《注2》の会社は外国人事業法[Foreign Business Act]の適用を受けるため、参入業種や資本金の最低額などに制約がある。また関連法案の外国人職業規制法[Alien Occupation Law]によって就労許可の上限数が資本金の額で決まる点にも留意が必要である。

《注2》 外国資本の出資比率により、50%以上を外国資本マジョリティ、49%以下をタイ資本マジョリティとして識別され、外国人事業法の適用が判断される。

 この外国人事業法によって、タイ国内への参入が規制(禁止・制限)されている43業種《注3》に対しては、外国資本マジョリティでは会社設立ができない。ただし資本金の増額(資本金1億バーツ以上)、特別許可《注4》や外国人事業法の適用除外《注5》などにより、参入規制を回避、つまり規制業種を外国資本マジョリティで設立することも可能である。

《注3》 第1類(9業種):農林水産業など、外国企業の参入が禁止されている業種。第2類(13業種):国家安全保障に関連する業種、または文化、伝統、地場工芸、天然資源、環境に影響を及ぼす業種。第3類(21業種):外国人に対して競争力が不十分な業種の計43業種である。
《注4》 規制されている43業種のうち、第2類は内閣の承認により商務大臣が許可した場合、第3類は外国人事業委員会の承認により商務省商業登録局長が許可した場合、事業参入が可能となる。
《注5》 タイ投資委員会(BOI)からの奨励や、タイ工業団地公社(IEAT)による承認を受けた場合、外国人事業法とは異なる法律が適用されるため。なおBOIやIEATは、個々に法人税や輸入関税、土地所有などの恩典を進出企業に付与している。この点についてはこちらを参照されたい。
外国人への外資規制(非公開株式会社の設立条件)

 意に反して、タイ資本マジョリティで非公開株式会社を設立する場合、会社運営の視点から、タイ資本へは優先株《注6》を発行し議決権のマジョリティを確保すること。また万が一の会社清算時に残余財産分配請求権の過半を獲得するため、日本企業へ優先株《注7》を追加発行し資本準備金として組み込むことが望ましい。

《注6》 外国人である日本企業には普通株(1株に1議決権)を割り当て、タイ資本へは優先株(10株に1議決権)を割り当てる。これによりタイ資本を「配当は高いが経営参加は制限する」状態にして、日本企業が経営主導権を確保する。
《注7》 資本準備金には規制がないことを逆手に、資本プレミアム(資本準備金)として優先株を発行する。この優先株を日本企業が引き受けることで、タイ資本を株式数(投資割合)で少数(少額)とし、日本企業が残余財産の大部分を獲得する。

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「“丸投げ”ユーザーから脱却せよ、比較検証でタイの会社設立を極める」の著者

加藤 耕介

加藤 耕介(かとう・こうすけ)

ITストラテジスト/EBT代表

2輪車メーカー、コンサル業界を経て、空調メーカーにてグローバルSCM構築の中心的役割を果たす。タイの生産拠点をハブにした業務改革・IT導入を実施。「企業における業務改革の主治医」を志しEBT設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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