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錯綜する福島第一原発周辺の災害廃棄物処理

8度目の現地調査で見えてきたこと(1)

2013年7月31日(水)

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 6月末、福島第一原発周辺の市町村を中心に、8度目の被災地調査を行った。

原発周辺を除き3年以内に処理完了の見込み

 岩手県と宮城県では、解体を待つ建物を除いて災害廃棄物の撤去はほぼ終了し、処理もペースアップしている。発災から3年の処理期限(来年3月末まで)を守れそうな状況である。福島県はやや出遅れたものの、福島第一原発周辺の浜通り以外では、撤去・処理ともおおむね順調に進展してきている。

 環境省発表6月21日現在の災害廃棄物撤去率は岩手県95.4%、宮城県94.2%、福島県87.2%、処分率はそれぞれ57.2%、75.6%、46.6%である。僅かに残っている未撤去率は、未解体建物の分であり、被災地にはほとんどガレキは見られない。

 福島第一原発周辺だけは例外で、市町村処理や国代行処理で2年程度、避難指示区域における国直轄処理で3年以上の処理期限の延長が必至のようである。

 東日本大震災による東北3県の災害廃棄物処理は、市町村処理、県委託処理(岩手県と宮城県)、広域処理(岩手県と宮城県)、国代行処理(福島県)、国直轄処理(福島県)の5つの方法で行われている。国代行処理と国直轄処理は特別立法によるものであり、未経験の大災害による混乱の大きさがわかる。

 災害廃棄物は、法律上は一般廃棄物(産業廃棄物以外の廃棄物)に区分されており、市町村に処理責任がある。ただし、震災による廃棄物の大半は実質的には建設系廃棄物(建築物由来のガレキ)であり、市町村が処理できる生活系廃棄物は少ない。

 このため、産業廃棄物処理業者やその団体、JVなどに、仮置場の管理や処理を委託する自治体もあった。産廃業者への委託は、適切な分別と保管、迅速な処理、再生利用などでメリットがあった。

相馬市災害廃棄物仮置場

 各都道府県は、災害時の協力協定を都道府県にある産業廃棄物協会と締結しているが、法的な効力のある協定ではないので、改めて事業者ごとに一般廃棄物を産業廃棄物処理業者が処理する場合の特例適用の届け出が必要になる。法的には届け出は30日前とされているが、今回の震災では当日届け出でもよいとされた。

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「東日本大震災から2年、疑問符だらけの東北の復興」のバックナンバー

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「錯綜する福島第一原発周辺の災害廃棄物処理」の著者

石渡 正佳

石渡 正佳(いしわた・まさよし)

千葉県県土整備部用地課土地取引調査室長

1958年千葉県生まれ。産廃Gメン時代に出版した『産廃コネクション』(2002年)が2003年「日経BP・BizTech図書賞」を受賞した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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