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「仮想発電所」で送配電を最適に制御

エネルギーシステムの大変革期に入った欧州

2013年8月5日(月)

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  EU(欧州連合)は2020年に再生可能エネルギー(再エネ)の比率を20%にするという目標の下、各国が再生エネの導入を拡大している。特に先行するドイツ、デンマークでは、出力変動の大きい風力、太陽光の増加に伴い、火力発電を中心にした集中型システムから分散型システムへの移行、そして電力需要の制御に取り組んでいる。日経BPクリーンテック研究所がまとめた『次世代社会創造プロジェクト総覧』を見ると、化石資源を前提にしたエネルギーシステムの変革に乗り出した欧州の果敢な姿勢が浮き彫りになる。

電気の50%、熱の65%を再エネで賄う町

 ドイツ南西部のフライブルク市は、人口約20万人。市街地へのクルマの乗り入れを規制した交通政策で知られるが、温暖化対策にも熱心だ。省エネや再エネの導入により、2030年までにCO2排出量を1992年比40%削減する目標を掲げる。

 こうした同市の環境政策をけん引する先進的な地区として、1997年から再開発が始まったのが、同市南端に位置する面積38ヘクタールのボーバン(Vauban)地区だ。同地区では、定格出力5000kW(2500kW×2基)のコージェネレーション(熱電併給)システムをエネルギーシステムの核に位置づけている(写真1)。

写真1:フライブルグ・ボーバン地区のコージェネレーション施設(定格5000kW)。黒い森から産出する林業残材を燃料に電気と温水を提供する(出所:日経BPクリーンテック研究所『次世代社会創造プロジェクト総覧』、以下同)

 コージェネ施設と住宅を結ぶ地下には、送電線とともに、温水を運ぶための配管が敷設してあり、その長さは延べ12キロメートルになる。昨年は、1400万kWhの電力と640万kWh分の熱を生産・供給した。熱を余りなく活用する範囲で稼働させ、足りない電気は地区外の電力会社の電力系統網からの送電で補う。コージェネの総合熱効率は年間で約80%に達する。

 コージェネの燃料は、木質チップと天然ガスで、昨年には1万5000立法メートルの木質チップを利用した。ボーバン地区内では、熱利用の約65%はバイオマスの燃焼と建物の屋上に設置した太陽熱を合わせた再エネで賄っている。

 電気については、バイオマス発電と太陽光発電システムを合わせると、約50%が再エネ由来になる。木質チップは、フライブルクの東に控える森林地帯(シュバルツバルト=黒い森)の林業から出る間伐材などを使っている。

 ボーバン地区の人気は高く、人口は2013年5月までに当初計画を超え、5500人(2300世帯)に達した。その4割が子供のいる家族世帯だ。新築中の集合住宅が完成すれば人口は約6000人まで増える予定だ。

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「「仮想発電所」で送配電を最適に制御」の著者

金子 憲治

金子 憲治(かねこ・けんじ)

日経BPクリーンテック研究所主任研究員

世界のスマートシティにおける事業・サービスの調査に従事する。「日経エコロジー」編集部に約10年間在籍、環境・エネルギー分野の豊富な知識と取材経験、執筆実績を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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