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シーパラダイス、“海水冷房”で20%省エネ

メガソーラー超える排熱発電も登場

  • 相馬 隆宏

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2013年8月2日(金)

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 太陽熱、地中熱、下水・河川・海水熱、温泉熱、工場排熱――。これまで使われてこなかった「熱」が脚光を浴びている。捨てていた排熱を利用し、メガソーラーを上回る発電が可能な技術も登場している。原子力発電所の停止を受け、夏場の節電や電気料金値上げの影響を抑えることが企業にとって喫緊の課題である。今こそ、熱を徹底利用するときだ。

 東京湾に浮かぶ総面積約24万平方メートルの八景島。水族館や遊園地などが入る横浜・八景島シーパラダイスは4月、水族館にある一部の空調設備を更新した。海水を熱源に利用する珍しいもの。従来の空調と比べて電力使用量を約20%減らせるという。

3度目の夏に備える

 シーパラダイスを運営する横浜八景島(横浜市)は、温室効果ガス削減と経済活性化を進める横浜市の「横浜グリーンバレー構想」に参画。省エネや生態系保全に取り組んでいる。同市と東京海洋大学との共同事業として、海水熱を利用する空調を導入したのもその一環である。今年、開業20周年を迎え、ちょうど設備の更新時期に差し掛かっていたところだった。

 通常の空調は、大気と熱交換することで室内に冷たい空気や暖かい空気を送る。シーパラダイスが採用したものは、大気の代わりに海水と熱交換する。海水の温度は1年を通じて10~17℃で安定している。大気と比べて、夏は冷たく、冬は暖かい。冷やしたり暖めたりするのに必要なエネルギーが少なくて済むため、省エネになる。

水族館などが入るテーマパーク「横浜・八景島シーパラダイス」(上)。海水の熱を空調の熱源に利用する(下)。

 東日本大震災以降、原子力発電所の停止によって慢性的な電力不足が続く。冷房の使用で日中の消費電力がピークになる夏場は、節電を求められることが当たり前になりつつある。2011年から数えて3度目となる今夏も電力供給力に余裕はない。

 シーパラダイスも2年前、苦い経験をした。日中の最大使用電力を削減する政府のピークカット要請を受けて、自家発電機をリースで調達した。かかった費用は約2000万円。社会的責任を果たすためとはいえ、負担は決して小さくはなかった。省エネ性の高い海水熱利用空調が、夏場のピークカットに貢献してくれるとの期待もある。

 設備の投資額は650万円。内閣府の「環境未来都市先導的モデル事業」に採択されており、投資額の半分を補助金で賄っている。電気代や保守費用の削減などによって4~5年で回収できる見込みである。

 横浜八景島管理部(施設担当)の市ヶ谷公正リーダーは、「成果が出れば、物販・飲食店が集まるベイマーケットやホテルなど、設備更新が必要な他の所にも展開していきたい」と話す。

 海水熱だけではない。太陽熱、地中熱、下水・河川熱、工場排熱、温泉――。これまで見過ごされてきた熱を有効利用しようという機運が今、高まっている。

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