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盆休み直前、「街角のタイ飯」とコミュニケーション論

2013年8月8日(木)

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 会社組織における円滑な情報伝達と有効な指揮命令は、部門や上下関係の間で良好なコミュニケーション(相互理解を通じての意思疎通)が成立していることが原則である。そのためにビジネスパーソンは健全な人間関係の構築に日々腐心を重ねている。

 それにもかかわらず、日本ではコミュニケーション能力に秀でた人材が、一転して海外で不調に陥る場合がある。その日本人の不活性な意思疎通は、現地での孤立に直結し、会社組織は四散の一途をたどる。

 この問題の本質は、ビジネスに関するネゴシエーションと、社会集団におけるコミュニケーションの混同に端を発している。今回のコラムでは、海外進出で陥りやすいディスコミュニケーション(一方的主張による意思不達)のメカニズムと、2つの壁が生み出すブレイクスルーについて言及する。

媒質としての社会集団

 ビジネスを交渉と位置付ければ、会社組織は協業の産物である。短期かつ事務的な要素が強い交渉事が外的な意思疎通に重点を置くのに対して、人間関係に支えられた会社組織は内的な相互理解がなければ成り立たない。

 このことは、ビジネスと会社組織ではコミュニケーション構成が直交していることを意味している。Business-to-businessの単層構造であるビジネスに対し、会社組織は社会集団におけるコミュニケーション《注1》を下層として、その上層に情報伝達や指揮命令など、ビジネスに関するネゴシエーション《注2》が配置される2層構造《注3》となる。

《注1》 社会集団におけるコミュニケーション(社会集団コミュニケーション)とは、文化・風習を同一とする社会集団に帰属して活動するためのコミュニケーションであり、行動様式の励行も含まれる。
《注2》 ビジネスに関するネゴシエーション(ビジネスコミュニケーション)とは、利害関係者との交渉に必要とされるコミュニケーション能力を指す。
《注3》 概念的には「空気という媒質が存在」してこそ自分の声が相手に届く(伝播する)のと同じように、送り手の意中が受け手に伝わる(伝心する)には「社会集団という媒質」が必要であり、同一の社会集団に帰属することで共通反応が積極的となり、情報伝達エラーの回避や回復が向上する。
ビジネスと会社組織のコミュニケーション構成の違い

 通常、我々は会社組織の中で社会集団コミュニケーションを意識することはない。なぜならば日本人が日本企業で働く限り、無意識下(幼少からの刷り込み)で日本という社会集団に帰属しているからだ。しかし海外の場合、意識的なリスペクトを介して海外の文化・風習と融合し、現地の社会集団に帰属しない限り、同一の媒質を共有できないため、社会集団コミュニケーションは機能しない。

 タイの現地法人で換言すれば、現地人スタッフが帰属するタイ社会(マジョリティーの社会集団)の文化・風習に日本人(マイノリティーの異分子)が融合することが、会社組織を有機的に機能させる大前提となる。

 海外進出に積極的な企業は、社員に対するビジネスコミュニケーションの能力開発には積極的だが、肝心な「自身がマイノリティーのときはマジョリティー社会に敬意を払え」は教えてくれない。となるとマジョリティー社会への敬意は、個々が持つ“人を思いやる心”の自発的な発動に期待するしかない。

 そして問題は発動しない場合に発生する。社会集団コミュニケーションを確立できない人材は、往々にして職制偏重の指示命令に始まり、なす術がなくなると最後は恫喝で人を動かそうとする。こうなるともはや手遅れであり、マジョリティー社会はマイノリティーである日本人に対して緊張関係(縄張り支配・排他的行動・既得権要求など)を形成し、有形無形のコンフリクトが発現する。

 いかにして、日本人のタイ社会へのリスペクトを現地人スタッフに認知してもらうのか。文化・風習の融合への解は「言葉の壁」と「感情の壁」という2つの壁にある。

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「盆休み直前、「街角のタイ飯」とコミュニケーション論」の著者

加藤 耕介

加藤 耕介(かとう・こうすけ)

ITストラテジスト/EBT代表

2輪車メーカー、コンサル業界を経て、空調メーカーにてグローバルSCM構築の中心的役割を果たす。タイの生産拠点をハブにした業務改革・IT導入を実施。「企業における業務改革の主治医」を志しEBT設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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