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東京スカイツリーに隠れた“名所”

地中熱で夏場の電力9割カット

  • 相馬 隆宏

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2013年8月8日(木)

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 夏休み真っ盛りのなか、子連れの観光客らでにぎわう東京スカイツリー。地上450mの展望施設が売り物だが、地下にも隠れた“名所”がある。議員や行政関係者、エネルギー事業関係者などがこぞって視察に訪れているのは、周辺地域にエネルギーを供給する施設の心臓部だ。地中熱と蓄熱槽を活用し、昨夏は日中の最大使用電力を契約電力の10分の1に抑えた。

 昨年5月22日に開業して以来、観光客が引きも切らない東京スカイツリー。1年間に周辺の商業施設や文化施設を含めた街全体に約5080万人が訪れ、国内最大級の観光施設になっている。

 観光客だけではない。議員や行政関係者、エネルギー事業関係者など国内外から約2800人がスカイツリー詣でをしているという。お目当ては、地下にあるエネルギー供給施設だ。周辺施設に冷暖房や給湯用の熱を供給する地域熱供給では国内初とされる地中熱を採用している。

25mプール17杯分の熱

 地中の温度は、年間を通じて15~17℃でほぼ一定で、夏場は外気温より低く、冬場は高くなる。この温度差を利用することで、冷暖房に必要な冷水や温水を作る際のエネルギー使用量を減らす。

 地下120mの深さまで掘削した垂直孔に熱交換用チューブを21本挿入。建物の基礎杭にも6本の熱交換用チューブを取り付けた。チューブ内を循環する水を媒介として地中の熱を採り入れたり、地中に熱を放出したりする。

 省エネだけでなく、日中の最大使用電力を減らすピークカットにも貢献する。要となるのが、総容量約7000t、25mプール約17杯分に相当する巨大な蓄熱槽である。深さ約16mの水槽を4つ備える。

 夏場は4槽とも冷房用の冷水をためておく。冬場は暖房用の温水を3槽に、冷房用の冷水を1槽に蓄える。水面には、「ファインボール」と呼ぶポリエチレン製の球体を敷き詰めた。水面の約90%を覆い、放熱を防ぐとともに、熱導管の腐食の原因となる酸素の浸入を抑える。

5月22日に開業1周年を迎えた東京スカイツリー(左)は、周辺の地域一体で地中熱を利用した空調を導入した。地中に埋め込んだチューブで熱交換する(右上)。蓄熱槽にためた冷温水の表面にはファインボールを浮かべて熱の損失を防ぐ(右下)

 空調は通常、冷凍機で作った冷水や温水をすぐ利用して室内を冷やしたり、暖めたりする。そのため、冷房や暖房が必要な時間帯に機器を運転させなければならない。スカイツリーでは、蓄熱槽にためておいた冷水や温水を導管で各施設へ運び冷暖房に利用する。夜間に機器を稼働させて冷水・温水を作っておけば、電力需要が高くなる日中は停止できる。その分、使用電力を抑えられる。

 スカイツリーの機器の稼働時間は、午後10時から翌日の午前8時までの10時間。夏場と冬場の各120日間に抑えている。震災以降の電力供給不安に対応してピークシフトを徹底させた。

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