• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

合意形成の手続きを法的に確立せよ

8度目の現地調査で見えてきたこと(3)

2013年8月21日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 災害廃棄物の撤去が終わった被災地では、さまざまな復興事業が計画されている。グレードアップされる堤防、住宅地のかさ上げや集団移転、区画整理、復興道路、防災公園などである。だが、どの事業も住民との合意形成なしには進まない。

福島県いわき市夏井地区海岸がれきを再利用した堤防工事

 沿岸地域の復興の要となるのは、堤防の復旧であるが、着工されている国直轄事業の仙台湾南部海岸(岩沼市・名取市)、福島県事業のいわき市夏井地区海岸(夏井川河口南)などを見ると、堤防工事自体は立派だが、後背地には農地が広がり、市街地がほとんどない。市街地を守っている堤防は、津波防災を重視して高くするか、海岸の利用や景観を考えて低くするかで意見が対立し、住民合意形成がなかなかできないのだ。

福島県相馬郡新地町で進められている釣師浜漁港道路嵩上げによる第二堤防工事

 市街地が近い堤防をグレードアップしたり、後退させたりしようとすれば用地買収も必要になってくるので、一人の地権者の反対でも着工できない。このため、国有海浜地や海岸保安林が広くて着工しやすい農村部から先に巨額の予算を投じて、長大な堤防を整備している。農村部で堤防工事がいくら進んでも、市街地の復興は加速しない。

宮城県岩沼市にある千年希望の丘第1号。高さ10~20mの丘を何重にも築いて津波の威力を減らす

中途半端なアセスメント

 住民合意形成の問題は、公害の解決に追われた1970年代に、アセスメント手法を十分に確立できなかったことに遠因がある。67年にアメリカで始まった環境アセスメントは、環境影響評価にとどまらず、住民との合意形成の手続きを含む手法として確立されたが、日本に移入された環境アセスメントは、建設業界などの反対から、評価と合意が分離されてしまった。

「東日本大震災から2年、疑問符だらけの東北の復興」のバックナンバー

一覧

「合意形成の手続きを法的に確立せよ」の著者

石渡 正佳

石渡 正佳(いしわた・まさよし)

千葉県県土整備部用地課土地取引調査室長

1958年千葉県生まれ。産廃Gメン時代に出版した『産廃コネクション』(2002年)が2003年「日経BP・BizTech図書賞」を受賞した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面白い取り組みをしている会社と評判になれば、入社希望者が増える。その結果、技能伝承もできるはずだ。

山崎 悦次 山崎金属工業社長