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あなたの褒め言葉、95%はスルーされている

若い部下に効果的な褒め方とは?

2013年8月13日(火)

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 社会人になって15年が経ったある課長は先頃、少し早い夏期休暇を取得し、故郷の静岡県に帰って高校時代のクラス会に出席しました。地元静岡はもちろんのこと、東京や名古屋、大阪といった大都市圏で働いているクラスメートも多く、しばらくは楽しい近況報告が続きました。

 しかし、二次会に流れる頃には酒の酔いも手伝ってのことか、仕事に対する愚痴や将来への不安など、ネガティブな話題も増えてきました。

 皆の口から出た内容で共通していたのが、「部下育成が大変だ」というものでした。とはいえ、部下の能力そのものに対して悩んでいるわけではありません。

 「ちょっと注意するだけでふて腐れてしまうんだよね」

 「小さなミスを指摘しただけで落ち込んじゃってさ」

 このように「最近の若い部下たちは打たれ弱い」という意見で一致したようです。仕事上当たり前のことを教えようとするだけで、ひどく気をつかわなければならないことに、みんな困っている様子でした。

 中には「遅刻を繰り返す部下をしかったら、翌日に辞表を出された」と嘆く人もいました。しかも、その部下は辞表を出した理由を人事部門から問われた時に、「上司が感情的に怒ってばかりで自分を認めてくれない」と報告したそうです。

 もちろん、上司としては部下のことを考えたからこそ厳しくしかったのです。感情的になったつもりはないし、ましてや「しかってばかり」などということはありません。

 その話を聞いていたクラスメートたちは、あきらめたように言いました。

 「こっちの気持ちがそのまま伝わると思ったらダメだって」

 「ホント、怖くて何も言えないよな」

 課長は暗澹たる気分になりました。というのも、昨年入ってきた新人が、まさにそのようなタイプだったからです。能力は低くないので育て甲斐があるのですが、ミスを指摘するととたんに心を閉ざしてしまい、コミュニケーションがうまく取れなくなってしまうのです。

1日2回褒めても部下の認識は「月に2回」

 こうした悩みは、何もこの課長の周囲に限られた話ではありません。ここ数年、あちこちで頻繁に耳にする話です。そのたびに、私は今現場で働いている課長は大変だと思います。

 しかし、部下たちを育成して、彼らと共に業績を上げていくことが命題である以上、嘆いていても状況が変わるわけではありません。部署の権限を持つ課長のほうから歩み寄っていく必要がありそうです。

 「歩み寄る」といっても「部下の顔色をうかがう」ということではありません。何らかの原因によってずれてしまっているお互いの認識を、すり合わせる努力をしようということです。

 私は行動科学マネジメントの普及活動を通じて、多くの企業における上司と部下の関係性を見てきました。上司と部下の関係においては、様々な認識のずれが存在しています。それがお互いに対する誤解を生み、上司が「善かれ」と思ってやっていることがムダになっているのです。

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「あなたの褒め言葉、95%はスルーされている」の著者

石田 淳

石田 淳(いしだ・じゅん)

ウィルPMインターナショナル社長

行動科学マネジメントの第一人者。行動分析、行動心理を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものにアレンジ、短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えると企業経営者などから支持を集める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師