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カリフォルニアが蓄電に舵を切る

再エネ導入を前提に送電網を構築する米国

2013年8月19日(月)

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 米国は、2009年の再生・再投資法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)によりスマートグリッド(次世代送電網)分野に約30億米ドル(約2800億円)の補助金を出した。それが呼び水となり米国全体で2012年5月時点にスマートメーター(次世代電力計)の設置台数が約3600万台に達した。カナダでもオンタリオ州とブリティッシュコロンビア州ではスマートメーターがほぼ行き渡った。もともとは脆弱な系統電力網を少ない投資で改善する狙いだったが、再生可能エネルギーの大量導入に対応するために活用し始めた。系統電力網が不安定になるからと再生可能エネルギーを拒絶するのではなく、再生可能エネルギーの導入を前提に動いている。

 カリフォルニア州は、2012年6月にほぼすべての顧客に対して電力とガスのスマートメーターの設置が完了した。電力メーターは1000万台以上、ガスメーターは500万台以上である(表1)。

表1:カリフォルニア州の大手電力会社3社のスマートメーター設置台数
出所:各社発表から日経BPクリーンテック研究所作成

 電力最大手のPacific Gas & Electric(PG&E)社は、電力メーター510万台、ガスメーター430万台の合計940万台のスマートメーターを設置した。これにより、新しい試みやサービスが始まっている。新しいサービスとしては、消費者は同社のサイト「My Energy」から自宅の時間単位の電力消費量を見たり、自分の家と同規模の家と比較したりすることができる。また、自分の家に合った方法で電力を節約するプランを見ることもでき、消費者にとっては節電に取り組みやすい。

 また、新しい試みとしては、2012年にスマートメーターからHAN(Home Area Network)経由で宅内ディスプレイやスマートフォンに電力消費量の情報を送る実験を開始した。その情報を受け取った消費者は、スマートフォンなどからサーモスタットをコントロールできる。スマートフォンやタブレットPCなどから家電をコントロールすることは技術的に難しいことではないが、電力会社が住宅の中までサービス範囲を広げる試みとして注目すべきである。

150万世帯が時間帯別料金を利用可能になったが

 Southern California Edison(SCE)社もPG&E社と同様に電力の「見える化」サービスを提供している。その他の新しい試みとしては、約150万の顧客に対して、TOU(時間帯別料金:Time Of Use)とPTR(緊急時リベート:Peak Time Rebate)を提供可能にした。提供可能にしたというのは、消費者が選択できる状態にしたが、実際に選択する消費者はほとんどいないからである。

 San Diego Gas & Electric(SDG&E)社は、EV充電に関してTOUを適用し、ピークシフトに成功している。TOUがなければ、一般のEVユーザーは会社から帰宅したときにEVを充電器に接続する。そのため、夕方5時~7時に電力需要が集中してしまう。そこで一部のEVユーザーにTOUを適用し、夜中の12時から電力を安くする料金体系にしたところ、夜中の12時に電力需要ピークが現れた。ユーザーをグループに分けて、TOUによって安くなるタイミングをずらしていけば、電力需要の平準化が可能である。

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「カリフォルニアが蓄電に舵を切る」の著者

菊池 珠夫

菊池 珠夫(きくち・たまお)

日経BP CTI主任研究員

日経BPクリーンテック研究所が実施してきたスマートシティ・プロジェクトやスマートハウス・ビル調査に従事。韓国、米国、中国など幅広い地域のスマートシティの調査実績がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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