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「製品のための標準規格」という既成観念を捨てよう

ビジネスを盛り立てるための規格の作り方

2013年8月28日(水)

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日本ではまだ困難な上流標準への取り組み

 今年の1月に本連載で主張した「上流側の標準こそビジネスに必要」というメッセージは、その後も多くの講演で力説してきたし、聴衆の方々からはかなり受け入れていただいた手応えがある。しかし、実際に標準化を担当している行政や企業の方々と直接具体的なお話をさせていただくと、現実のアクションにつなげていくことはまだまだ難しいと感じる。

 題記の連載では「社会課題」「複合(パッケージ)システム」「サービス」を標準化のテーマとして日本が取り組むべきだと論じたが、最初の2つをいきなりやるのは、通常の企業や組織にはあまりにハードルが高いのが実情である。国からの理解と支援を得ることはさらに難しい。私はここ数年間の度重なる国内交渉でこれを実感した。しかし、3番目の「サービス標準」に取り組むならば、もう少し敷居が低いのかもしれない。

 ここにリポートがある。2年前に出された「サービス産業の活性化のための標準化活動と今後の方向性」(日本規格協会)である。

 サービス産業のみならず、すべての産業でサービスの標準化を狙うという私の趣旨とはやや異なるが、サービスを標準規格の対象にするという趣旨においては一致している。この報告には次のような記述がある。

 「イギリス(BSI)、ドイツ(DIN)、フランス(AFNOR)などの欧州の諸外国では、規格の大部分が製造業関連ではあるものの、例えば、欧州連合の産業政策と連携を取りながら、戦略的にサービス産業の標準化に取り組んでいる。また、国際標準化機構(ISO)においても、サービス産業に関する専門委員会が設立されつつある。一方我が国では、標準といえば JISによる体系的な整備の貢献が大きいが、前述のようにモノとサービスとの協働・共存で新しい価値を創り出す形態が必然的になっている現状では、規格策定の対象を製品に限るのではなく、より柔軟な対応も考慮しなければ、産業の実態に合わない標準となる可能性が高まりつつあるという捕らえ方もできる。産業政策、対外競争力、雇用等の観点から、国内体制の整備と国際標準化への働きかけが求められているものと推量される」(太字は筆者による)

 すなわち、日本の現状では規格策定の対象が「製品」に限られており、「サービス」の標準を作るための体制の整備と働きかけが必要であるということだ。

 一方、グローバルな企業ならば日本の体制や制度に甘えることなく、自ら率先して取り組む道もある。今回は、ビジネススクールの講義方法に倣い、分かりやすい(仮想的な)事例を用いて、企業の方々向けに、規格の作り方のコツを論じてみたい。

【フィクション】A社の刺身包丁ビジネス

 仮想的な事例として、日本が得意とする刺身包丁を輸出するというビジネスを想定しよう。刺身包丁はおそらく現実に日本が最も競争力を持っている製品だと思われる。以下では、架空といえどもリアルなストーリーを展開すべく試みる。

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「「製品のための標準規格」という既成観念を捨てよう」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授