• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

たくさんもらって何が悪い

透明性高め、「怪」からの決別を

2013年9月3日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 役員報酬を巡る不透明さがもたらす最大の問題。それは、投資家や社員に「本当に経営者が、企業価値の最大化を志向しているのか」という疑念を抱かせ、投資意欲の減退や、モチベーションの低下につながることだ。日本の役員報酬体系は、基本報酬の割合が大きく、業績連動の変動報酬の割合が少ないことが一般的なため、こうした疑念を生む。

 高度成長期は、こうした疑念があったとしても、それほど大きな問題にはならかった。日本経済全体が成長する中、社内や業界秩序に通じた経営者が大過なく舵取りすれば、それなりの業績を上げられたからだ。だが、景気が低迷し、期待通りの業績が上げられなくなれば、経営責任を負う役員に、より厳しい目が向けられるようになるのは自然の流れだ。

 こうした中、「役員報酬の怪」からの決別を目指す企業がいる。なぜその金額になるのかを積極的に開示し、それが株主や社員、顧客の納得を得られる水準であるならば、高いからといって問題になるわけではない。信頼される役員報酬にするための4つのポイントを紹介する。

ポイント1:役員報酬をフル開示し透明性高める

 役員報酬は1億円以上の場合にのみ、個別開示しなければならない。

 一般的にはこう理解されている開示基準だが、実は立法主旨とは異なる。原則として役員報酬は全員公開というのが本来のあり方だ。内閣府令の概要を見ると、有価証券報告書などにおける役員報酬の開示基準をこう示している。

 「役員ごとの提出会社と連結子会社の役員としての報酬等(連結報酬等)の総額・連結報酬等の種類別の額等(ただし、連結報酬等の総額が1億円以上の役員に限ることができる。)」

1999年から開示をはじめた東京エレクトロン

 内閣府令で役員報酬の個別開示を定めたのは、2010年3月決算期以降について。だが、1999年から代表取締役の個別報酬を開示している企業がある。半導体装置メーカーの東京エレクトロンだ。

 東京エレクトロンの東哲郎・会長兼社長は開示を始めた当時の状況を、こう振り返る。「日本の半導体産業の凋落が鮮明になる中で、海外の取引先や投資家に対して当社が信頼に足る企業であることを示す必要があった」。同社が外部人材も含めた報酬委員会を設けたのは1998年。その翌年から開示を始めた。

 効果はあった。海外からの評価は、外国人投資家の持ち株比率に表れる。95年3月末時点で21.2%だったが、今年3月末時点で47.9%。今年3月末時点の上場企業全体の外国人持ち株比率は平均28.0%で、同社の高さが際立っている。

コメント11件コメント/レビュー

長い目で基礎研究や事業を育てるというのが難しくなる面が気になります。将来投資よりも短期的なインパクトが株価に影響を与えるところがありますし。不祥事が起きた場合に、実は原因は旧経営陣の時代にまいた種という事もあり、就任時の業績だけを考えるのでは足りないように思います。遡って個人の責任を問う(企業・株主が前経営者を訴える)ようなことが当たり前に起これば、その時々の業績をベースにするのでもよいのでしょうが。(2013/09/03)

「役員報酬の「怪」」のバックナンバー

一覧

「たくさんもらって何が悪い」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

長い目で基礎研究や事業を育てるというのが難しくなる面が気になります。将来投資よりも短期的なインパクトが株価に影響を与えるところがありますし。不祥事が起きた場合に、実は原因は旧経営陣の時代にまいた種という事もあり、就任時の業績だけを考えるのでは足りないように思います。遡って個人の責任を問う(企業・株主が前経営者を訴える)ようなことが当たり前に起これば、その時々の業績をベースにするのでもよいのでしょうが。(2013/09/03)

役員報酬の決定方法について、いろいろな企業の事例を紹介していますが、全く持って無意味です。役員報酬の決定については、日本の場合、根本的な問題があります。それは、法人税が高い事です。日本の税制では、役員報酬を定期同額にしないと損金参入できない旨定められているので、儲かったからと言って期の途中で役員報酬を増額(減額もできない)できず、法人税等で支払わなければならない(逆に言えば、赤字でも高額な役員報酬を払わねばならない)からです。その規則がある為に、法人税等を払わないですむように、役員報酬を高めに設定している事情(中小企業の赤字法人が多いのはこの為)があります。本来、企業の年間業績を予測するなど困難(年間どれぐらい売れるかなどわからないのが普通)なのに、年初に予算を決めて売上を合わせるなどという神業に近い会社運営を強制されているのに、実際にそれが実行されてきている(目標を達成する為にブラック企業が産まれている)事が不思議でなりません。経営者は、元々非正規社員(身分を保障されていない)と同じ扱いですから、給与は高くて当然ですが、日本の税制が労働者に有利な税制になっている事を変えていかないと、日本の民間企業は衰退するばかりだと思います。報酬を定期同額にして運営が成立するのは、売上が足りなくても借金や増税で原資を確保できる公務員だけであり、日本は社会主義国家の域を脱していないのが現状です。(2013/09/03)

・代表権のある人をみんな開示すれば、投資家はきちんと分析できるのでは?最終的には投資家の判断の問題。・大企業の役員報酬は従業員が下がる中で、データ交換で横並びで上がってきたという話を聞いたことがあります。・企業が、コンサルタントにフィーを払って、「お墨付き」もらって(買って)、透明っていうような方針を開示しているところがありますが、どうなんでしょうか?(2013/09/03)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長