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「強権の首相よ恥を知れ、建国の父は泣いている!」

ルポルタージュ・イスタンブール騒乱

2013年9月24日(火)

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 6月21日と22日、記者はトルコ最大都市・イスタンブールを訪れた。向かった先は、新市街と呼ばれるエリアの中心に位置する「タクスィム広場」。そこは当時、世界が最も注目する場所の1つだった。

 反政府デモと警官隊の激しい衝突が続いていたためだ。

 5月下旬、きっかけはささいな出来事だった。この広場に隣接する「ゲジ公園」の開発に対して、ある市民グループが反対運動を続けていた。開発に着手すべく、政府はこれを実力行使によって排除した――。どこにでも転がっていそうな話だ。だが、この政府の強硬な姿勢が、一部市民の鬱積していた不満に火をつけた。

 怒れる市民がタクスィム広場に集結したのに対して、エルドアン政権はあくまで強硬な姿勢で臨んだ。反政府デモ隊と化した市民は火炎瓶を投じ、警官隊は催涙ガスと放水で応じた。対立は激化し続け、しかもトルコの地方都市にまで波及した。それでもなお、エルドアン首相は「反・反政府デモ」の集会を開くなど、強気の姿勢を崩そうとしなかった。

 デモ隊と警官隊が衝突する映像が世界に配信された。トルコ全土で、多数のけが人と、少なくとも4人の死者が出た。記者がイスタンブールを訪れた6月下旬は、その余熱もいまだ冷めやらぬ頃だった。

直立不動の100人余り

 6月21日、13時30分過ぎ。雲一つない晴天だった。タクスィム広場にデモ隊の群衆はない。ただ数十人の市民がいるばかりだ。肩すかしを食らったような気分になりつつ、広場を歩いてみる。だが、どうも奇妙だ。そこにいる人たちが、ぴくりとも動かないのだ。

タクスィム公園に立ち尽くす人たち

 初め、何かのイベントが開催されるのを待っている人たちなのかと思った。だが、それにしても、無言で直立不動、前を見据えて微動だにしない姿は奇妙としか言いようがない。

 多くの人の足元には水の入ったペットボトルが置かれている。日陰のない広場の気温はじりじりと上がっており、脱水症状を防ぐための給水用だろう。気まぐれでなく、長丁場になることを覚悟したうえで立っているのだ。そうした人たちが100人近くはいただろうか。

その数、数十人か、100人を超えていたかもしれない

 記者は何人かにその意図を尋ねた。ある人は、広場に隣接するゲジ公園――そもそも反政府デモが起こったきっかけになった開発計画のある公園――を指差して答えた。「あれが理由だよ」。

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「「強権の首相よ恥を知れ、建国の父は泣いている!」」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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