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「イスラム教徒と日本人は似ている」

佐々木良昭・東京財団上席研究員に聞く

2013年10月3日(木)

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日本社会は、イスラム教に対する偏見が根強いとおっしゃられています。

1947年、岩手県生まれ。拓殖大学商学部卒業後、国立リビア大学神学部、埼玉大学大学院経済科学科終了。アルカバス紙(クウェート)東京特派員、在日リビア大使館渉外担当などを経て現職。著書に「『イスラム』を見れば、3年後の世界がわかる」「これから50年、世界はトルコを中心に回る」など
(写真:都築 雅人)

佐々木:1970年代までは、イスラム教に対する偏見はなかったように思います。しかし、80年代以降、日本人の中で急速におごりが芽生えた。いわゆる第3世界に対する差別的な意識が出てきて、「イスラム圏は自分たちより下の未開の地である」と見なすようになりました。

 さらに、90年代に入ってタリバンやアルカイダの存在が知られると、マスコミでもムスリムを暴力的な存在と捉える見方が強まりました。16億~17億人と言われるムスリムのうち、強硬派や暴力的な連中などは実際には0.0001%もいないでしょう。

 私自身は19歳の時にムスリムになりました。大学でアラビア語を学ぶクラブに入ったら、顧問の先生が東京ジャーミイ(東京都内のトルコ系モスク)に連れていってくれたのです。当時の日本は今以上にイスラムに対する理解なんてなかったですから、大学内で礼拝していたら変人扱いされましたよ。

 禁忌については、アルコールは飲みませんが、ラマダンの断食は自分の体調次第です。今年は猛暑と重なったから日中に何も口にしなかったら年齢的に厳しい。それほど敬虔とは言えないかもしれません。

ムスリムとして日常生活で意識していることは何ですか。

佐々木:「嘘をつかない」「周囲に親切にする」。あとは「貧しき者に施しを与える」です。施しは、イスラムの「喜捨」の精神に通じます。若い研究者を食事に連れ出したり、毎年10万円ほどを慈善団体に寄付したりしています。

 私は常々、ムスリムと古き良き日本人は似ていると思っていました。私が出会ったムスリムたちは勤勉で嘘をつかず、清潔好きです。中東を訪ねるたびに食事に連れていってくれたり、スーツを作ってくれたり、すごく歓待してくれたりします。「おもてなし」の精神は日本人独自のものではなくて、ムスリムにも共通していると思うのです。だからこそ、イスラム圏ではNHKのドラマ「おしん」が人気なのかもしれません。

 おしんについては、こんな笑い話があります。エジプトの視聴者が「おしんはアラビア語が上手だね」と言っていたそうです。吹き替えと分からなかったんですね。しかもドラマが描いた時代が、現在の日本だと誤解していた人も多かったらしい。

 イランでも、おしんは90年代にヒットしました。どん底から成長していくサクセスストーリーとして楽しめる。放映を許可する為政者にとっては「頑張ればお前らもそうなれるぞ」と国民を啓蒙することができるメリットがあったのでしょう。ほかの日本の作品では、アニメの「みつばちマーヤの冒険」「キャプテン翼」などが人気です。

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「「イスラム教徒と日本人は似ている」」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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