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「タリバン幹部と鍋を囲みました」

内藤正典 同志社大学大学院教授に聞く

2013年10月4日(金)

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これからイスラム圏は、日本や世界にとってどういう地域になるのでしょうか。

1956年東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。東京大学教養学部助手、一橋大学社会学研究科教授などを経て、現在は同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授、研究科長。著書に「イスラームから世界を見る」「イスラム―癒しの知恵」など

内藤:欧米にとってのイスラム圏と、日本にとってのイスラム圏とでは意味が違います。日本には、東南アジアの一部を除くとイスラム圏を植民地として支配した歴史がない。そのため、中東ではおおむね好意的に捉えられています。親日的な国や市民は多い。ムスリム人口は15億~16億人と言われています。これから10年以内に20億人近くまで増える。無視できない地域であるのは間違いありません。

 イスラム圏は従来の市場と違って国家を単位にしません。ムスリムは国境を越えて世界中に散らばっているからです。欧米各国にも百万人単位で住んでいます。彼らにフィットした商品・サービスを打ち出すことができれば、これまで見えていなかった市場が突然目の前に現れるでしょう。

日本は昨年から、マレーシアやインドネシアからのインバウンド(訪日旅行)を増やそうと産官連携で取り組んでいます。一部の企業は、食品などでハラール(アラビア語で「許された」を意味する)認証の取得に乗り出しています。

内藤:昨年の尖閣諸島問題を受けて、観光客の落ち込みが大きかったからでしょう。政府や企業関係者も、中国からの観光客に依存するのはリスクが大きいと判断して、新しい市場としてムスリムに着目した。それは悪くない。今までイスラム圏に力を入れていなかったことがおかしいぐらいです。インバウンドだけではなく、何かを輸出する先としてもイスラム圏は可能性を秘めています。

 だが、ハラール認証は必須ではないと考えています。マレーシア政府が「ハラール認証を取らないとお客さんが来ませんよ」といったプレッシャーを日本企業に与えるのはおかしい。そもそも、イスラムは国家を超越して成り立っています。ある国家が、ある食品がハラールであるかないかについて審査するという考え方はイスラムに馴染みません。

 マレーシアは中国系やマレー系も多く住む、世俗主義(政教分離主義)の国家です。(イスラム法によって統治する)イスラム国家じゃない。そういう国の政府がハラール認証に乗り出すこと自体が傲慢ですよ。もちろん、何も知らない日本企業が認証取得のために努力することでイスラムを学べるという利点は否定しませんが。

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「「タリバン幹部と鍋を囲みました」」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大村 禎史 西松屋チェーン社長