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ANA、JALに平等配分を

羽田国際線の発着枠配分で優先すべきは乗客の利便性

2013年9月4日(水)

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 ビジネスパーソンにとって利便性の高い羽田空港の国際線。これまで、中長距離国際線の利用は深夜早朝時間帯に限られていたが、2014年3月末の発着枠の増加によって、昼間時間帯にも北米路線が飛ぶようになることは、この連載でもまとめた。(「ANA優先が『国益』なのか」)

 羽田発の欧米路線は、首都圏だけではなく、国内線で乗り継ぐ地方の利用者にとっても利便性が高い。日本各地のビジネスパーソンの需要を取り込むことができるため、海外航空会社にとっても、アジア戦略の明暗を分かちかねない重要なトピックスとなる。

 日本の航空当局は、発着枠の増加に向けて、英国、フランス、中国など8カ国との交渉をまとめている。だが実は、日本にとって結びつきが最も強い米国との交渉が、まだ終わっていない。関係者によると、米国路線の割り当ては12枠で、うち6枠が日本側、残りの6枠が米国側に配分される可能性が高いという。

 だが日米間の調整に時間がかかり、来春から羽田で昼間の北米線が飛ばせるか否かは、まだ不透明な状況だ。前回インタビューを掲載した米デルタ航空のリチャード・アンダーソンCEO(最高経営責任者)は、日本政府が行う、航空会社に対する保護政策を痛烈に批判している(「航空業界の“ペリー”、日本の空の開国を迫る」)。

 一方、国内では、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)への発着枠配分を巡って、改めてJALの経営再建と関連付けて考えるかも焦点となっている。

 世界各国の大手航空会社は、2013年10月10日までに、デルタ航空のアンダーソンCEOが会長を務める国際機関「国際航空運送協会(IATA)」に対して、各空港で利用したい時間帯を申請する必要がある。このため、9月末までには発着枠配分が明確になる見通しだ。

 今回は、2014年春の羽田国際線の発着枠が、仮にANAかJALに重点配分されると、羽田の利便性やマイレージサービス、運賃はどう変わるのか。シミュレーションしてみた。

 羽田が再び国際線定期便を扱うようになったのは、2010年10月。運輸政策研究機構は、羽田の国際化が首都圏だけではなく地方在住者の利便性向上につながったと発表している。これまで、日本の地方在住者は、地元から一旦、韓国・ソウルに飛び、仁川国際空港を経由して欧州や北米へ向かう人が多かった。こうした乗客が改めて羽田を使うようになったのだという。

 羽田の利用は全国的に増加し、その一方で、ソウル経由の乗客は減った。例えば、中国・四国地方の乗客は2010年、その7%が仁川国際空港経由だったが、2011年には3%まで減っている。九州・沖縄地方の乗客は2010年に15%あったソウル経由が、2011年には8%に半減している。羽田の再国際化は、地方から海外へ向かう乗客を、仁川経由から羽田経由に戻したと言えるだろう。

 羽田発着の地方路線を見ると、ANAとJALが就航している日本国内の都市は50にのぼる。ANAだけが飛ぶのが岩国などの16都市、JALだけが飛ぶのは青森などの12都市。両社が競合するのが、22都市ある。

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「ANA、JALに平等配分を」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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