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「団塊向け」をつくらないと、TSUTAYAはつぶれる

カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長・増田宗昭さん(2)

2013年9月13日(金)

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増田:4年前くらいにね、TSUTAYAのフランチャイズのオーナーさん300人ほどを集めて、「5年後のTSUTAYAのお客さん」についてしゃべったことがあるの。これが、その時の資料(どん、と分厚いファイルが)。何を調べたのか、というとお客さまの「量」と「質」。未来のお客さまの「量」と「質」が規定できれば、次に何をすればいいかが見える、と思って、この資料を作ったんです。

川島:その結果はどうでした?

増田:まず「お客さんの量が変わってきている」。つまり人口動態です。第二次世界大戦以前は、男100万人女100万人の赤ちゃんが毎年生まれて、徐々に人口が増えていた。だから、人口の年齢分布はきれいなピラミッド型をしていた。若い人ほど人口が多い。で、僕ら団塊世代までは、何とかピラミッド型の人口年齢分布を維持してきた。戦争に行っていたお父ちゃんが帰ってきてお母ちゃんとエッチして生まれたのが僕ら。ベビーブーマー。

川島:はいはい(笑)。次、行ってください。

1970年、1980年、1990年の3つが大事

増田 宗昭(ますだ・むねあき)
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO
1951年生まれ。大阪府枚方市出身。83年、「蔦屋書店(元・TSUTAYA枚方駅前本店)」を創業。85年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社設立。2011年12月、大人たちに向けた新しい生活提案の場として、東京・代官山に「代官山 蔦屋書店」をオープン。TSUTAYAやTカードなど「カルチュア・インフラ」を創りだす企画会社の経営者として、奔走している
(撮影/大槻純一、以下同)

増田:戦後はポイントになる大事な年が3つあるのよ。1970年、1980年、1990年。まず、1970年は団塊の世代が大学を出て大企業に就職して、日本の高度成長のエンジンになったとき。日本の最後の高度成長って団塊世代が作ったんだよ。つまり、企業が団塊という大きなエンジンを手にしたのが1970年。だけど、この時点での団塊世代はまだ給料が安いから、労働者ではあるけど生活者=市場にはならない。若者文化は芽生えて、雑誌などの情報産業では団塊市場が育っていたけど、リアルな市場にはまだなっていなかった。それが1980年になって団塊世代が「労働者」から「生活者」になった。団塊の世代が30代になり、給料も上がって、市場を作り始めた。「若者文化」や「若者市場」というのは、この時代に一気に花開くんだよ。

川島:TSUTAYAの創業もこの頃ですよね。

増田:1983年。ちなみにコンビニエンスストアは1970年代半ばから後半に生まれた。現在の日本の小売業のプラットフォームは、ほとんどこの80年前後に出てきたんだ。それで次に1990年。40代になった団塊世代は高額所得者になりました。時代はバブル景気まっただ中。大量の高額消費者が生まれたわけです。企業の売り上げはマックスです。当然大量採用をするわけだけど、新人の給料は安いから人件費は相対的にミニマム。売り上げマックス、経費ミニマム。市場そのものだけでなく企業のお金回りの構造もバブった……。こうやって俺、しゃべっているけど、何だか釈迦に説法しているような気がしてきた(笑)。大丈夫?

川島:もちろん、面白いです(笑)。団塊の世代がお客さんとして高額所得者に成長し、労働力として若くて豊富な人材が入ってくる。その両方を企業は手にして、売り上げは伸び、人件費は抑えられるということですね。

増田:そうよ。売り上げマックス経費ミニマムだから。それが1990年。行き着くところに行き着いたのよ、日本は。で、ここで日本の市場の成長はおしまい。なのに、バカの一つ覚えみたいに、ずーっと「売り上げの前年比を上げろ」と言っている経営者がけっこういる。無理なわけですよ。だいたい、今の人口年齢分布は逆ピラミッドだからね。年寄りが多くて、若者が少ない。会社は売り上げミニマム、経費マックスになりつつある。

川島:じゃ、日本はどうすればいいんですか?

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「「団塊向け」をつくらないと、TSUTAYAはつぶれる」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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