• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

明日は中秋の名月、立ちそばで“月見”はいかが?

立ちそば16食目・「E戸や」(神田・小川町)

2013年9月18日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 担当編集Yです。突然ですが「月見そば」には、時間に追われて昼飯を食い逃すことも多々ある(私、いままさに食い逃しかけています)、ジャパニーズ・ビジネスマンの「ささやかな贅沢」メニューではないでしょうか。

 ただの「かけ」ではちょっと味気ない。かといって、かき揚げじゃあ贅沢すぎて切羽詰まった気分に合わない。コロッケ? 大好きだけど、なんだか生活感が強すぎない? というわけで、玉子を落とした「月見そば」。お仕事モードの会社員男子が己に許す、慎み深いトッピング、って印象があるわけです。ハードボイルド小説の主人公が、ちょっとだけタバコの銘柄に拘るみたいな。

 と、思っていたら、その月見がかくも味わい深く、かつ語れるものだったなんて…。しかも、明日はお月見の日であったとは。我々男性目線と女子目線の違いがここで鮮烈に現れた気がします。イトウマジック、刮目してご堪能下さい。そういえば、月見の玉子は「固ゆで」ではなくて生なのでした。(Y)

 それは某大手立ちそばチェーン店に、Y氏と共に潜入中のこと。

 「月見そば」気分を味わうべく、イトウは「かけそば」に生玉子をトッピング。上がったそばを前に、箸をそっと黄身の上に載せ、息を整えた。そうして慎重に、ゆっくりと黄身の中心に、箸を差し入れる。 

 ぷにん。

 真ん中がじわん、と揺らいだ。それでも黄身は未だふっくら丸い形を保ち続けている。

 ここで、箸先についた黄身をそっと吸う。濃くて、ねっとりとした黄色を舌先がさらった。…ああ、美味しい。

 そうです。この店が使用しているのは、厳選のたまご。
 イトウもよくスーパーで、気に入って購入している、お値段の割にお味のよろしいお品。いつでも白身が、ぷりりんっとしていて余計な匂いがなく、黄身は味が濃くて香ばしい、安心安全の確かな卵でありました。
 このような卵こそ、「月見そば」に相応しいのです、きっと!

 今度は白身を纏ったそばをひと啜り分、黄身にそっと沈める。

 旨いそばに、卵に拘った「月見そば」。
 汁の熱さで白んだ白身は、つゆ色に染まったそばを包むようにして、ぬるりと、滑らかに口中に吸い込まれる。そばに絡みついた黄身は、うっとりするような濃厚さを口内いっぱいに充溢させる。ああ、悦楽。

 立ちそば店らしい「月見そば」。それには具材もお値段もそれに見合ったものを供する普通のそば屋とは一線を画すスタイルがあるのではないか。たとえば究極のシンプルな組み合わせ、「かけ」に「生玉子」。これこそ、立ちそば的!…と信じて食した。

 なぜかしら。これを「月見そば」だと言い切れずにいるのです。
 釈然としない想いのまま、手繰り、啜り、を繰り返し、食べ終える。

 店を後にした。 Y氏が振り返る。

 あわわわ~っ!…分かっております。
 こんなところで、泣き言いっちゃいかん、自分でも説明の付かない気分なんぞで、Y氏を振り回してはいかん、そんなことではプロとしての態度がなっておらん! …と思いつつもイトウは、ブレまくっている今の気持ちをそのままぶつけてしまうのでありました。

コメント8件コメント/レビュー

月見そばの食べ方は、黄身に穴をあけてそばをくぐらせるのだとは・・・知りませんでした。今度試してみます。(2013/09/19)

「ワンコイン・ブルース」のバックナンバー

一覧

「明日は中秋の名月、立ちそばで“月見”はいかが?」の著者

イトウエルマ

イトウエルマ(いとう・えるま)

イラストライター

北海道室蘭市生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒。文具メーカーで企画・デザインに携わり、その後フリーに。イラストルポなどを中心にお仕事しております。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

月見そばの食べ方は、黄身に穴をあけてそばをくぐらせるのだとは・・・知りませんでした。今度試してみます。(2013/09/19)

毎回楽しみに読ませていただいています。アメリカ在住です。おそば食べたいですね。(単純にそう思います。)(2013/09/19)

八百と何人目でしょうか。今回、いきなり実食からスタートされてたので一回連載を見落とした?と心配になりました。月見そば。好きなんですけど、大好きなんですけど自分からは頼みません、いえ、頼めません。卵が割れてしまったあとの「もう元には戻れない感」に耐えられないのです。単なる優柔不断ですね。そろそろ書籍化のリクエスト、早めに出しておいても良いですか?(2013/09/18)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

お客様が低価格に慣れてきている。

片岡 優 ジェットスター・ジャパン社長