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風力発電と冷蔵倉庫を組み合わせた仮想発電所

ドイツのスマ-トグリッド「E-Energy」(1)

2013年9月17日(火)

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今回から、海外スマ-トグリッドの最新事情を取り上げる。まずはドイツのスマートグリッドである「E-Energy」を数回にわたり取り上げる。

 日本では、多額の予算を投入して、いわゆるスマートコミュニティ事業が実施されている。当初は、オバマ政権のスマ-トグリッド事業に触発されてスマ-トグリッドの実証として検討されたが、電力制度改革前だったこともあり、日本型の事業となった。3.11の大震災を受けて分散型システムの構築が大きな命題となり、スマートコミュニティが結果的にその受け皿となった。ただ、スマートコミュニティの目的やモデルはいまひとつ明確ではない。

 スマ-トグリッドの本質は、地域で、低電圧のネットワークにおいて電力需給を監視・制御するシステム構築にある。日本でも電力システム改革や小売り完全自由化が実施に移されることになり、スマ-トグリッド構築の環境は整いつつあるが、地産地消のモデルが不明確である。電力システム改革自体がまだ不明瞭であり、その実効性についても不確実性があるからだ。

 ドイツのE-Energy事業は、地産地消型モデルとして最もわかりやすい。2008年に実証として6事業が採択され、2009年から2012年までの4年にわたり実施されてきた。その結果が明らかになってきた。今回と次回は、北部の港町クックスハーフェンの「イーテリジェンス(eTelligence)」事業を取り上げる。2013年に入って発表されたファイナルレポートを基に解説する。

港町の仮想発電所(VPP)

 クックスハーフェンは、バルト海に面した風光明媚な港町であり、漁業や観光が盛んである。風力発電の適地であるとともに冷蔵倉庫群が存在し、コジェネ(コージェネレーション:熱電併給)を利用した温泉スパなども充実している。最近では洋上風力の基地候補としても注目を集めている。

 この地で展開されるイーテリジェンス事業は、風力(600kW)、太陽光(80kW)、冷蔵倉庫(250kWと260kW)、コジェネ(460kWと5.5kW)で構成し、市場取引を通じて地域で電力を制御する実証事業である(資料1)。

 最大の特長は、冷蔵倉庫の熱需要のシフトにより、風力発電の変動を吸収することである。風力発電と太陽光発電、そして冷蔵倉庫の電力需要を統合(インテグレート)することで、あたかも1つの発電所のように制御する。このような制御の仕組みは、「仮想発電所(Virtual Power Plant:VPP)」と呼ばれる。

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「風力発電と冷蔵倉庫を組み合わせた仮想発電所」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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