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「MRJ」計画遅延の本当の理由

要因は経営陣のマネジメント力不足か?

2013年9月11日(水)

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 戦後初の国産旅客機、日本航空機製造(日航製)YS-11型機が初めて空を飛んでから51年。このYS-11以来、日本国内で旅客機が開発されることはなかった。それゆえ、ほぼ半世紀ぶりの国産旅客機となる三菱航空機(三菱重工業の子会社)のリージョナルジェット機「MRJ」には、開発当初から大きな期待が寄せられていた。計画段階の発表では初飛行を2011年、初号機の納入を2013年と予定していた。

 だが現実は甘くはない。予定したスケジュールは度々延期された。この8月にも、3度目のスケジュール変更を発表して話題になったばかりだ。2013年10~12月期に予定していた初飛行は2015年4~6月期に、初号機の引き渡しは2017年4~6月期に延びると説明。計画当初から見ると、実に4年の遅れが生じている。

 MRJを製造する三菱重工の関係者によると、プロジェクトがあまりに難航するため、経営陣の中には否定的な意見も出てきているという。「今の注文分だけ製造したら、もうMRJのビジネスから撤退すべき」という主張まである。報道では、MRJは国家的なプロジェクトともてはやされている。だが実際には三菱グループが全責任を負う、純然たる民間企業のビジネスだ。収益性どころか、プロジェクトの実現可能性さえ危ぶまれるこの事業から、撤退すべきという声が出ても決して不思議ではないだろう。

 計画遅延が発表された後、9月7日には、製造中の胴体の一部が報道関係者に初めて公開された。現状の開発状況を見せることで少しでも逆風を和らげたいという狙いがあったのだろう。

 「(今回は)絶対守るぞというスケジュールを申し上げた。できれば予定よりも早くやっていきたい」。胴体前に立った三菱航空機の川井昭陽社長はこう説明し、計画を前倒しすべく取り組む姿勢を示した。

 航空機の開発には長い時間を要す。そのため計画よりも遅れることは決して珍しくない。CFD(流体)解析を多用した主翼などを中心に、MRJには日本独自の部品もある。だが、アビオニクス(航空電子機器)などの主要部品の7割は、米ボーイングや仏エアバスに納入する海外大手メーカーが手掛けている。それゆえ開発遅延の要因は、「機体が国産だから」というよりも、「旅客機だから」という部分が大きいように感じている。

 そもそも今回の遅延は、単に技術的な問題によって引き起こされたものなのか。日本の航空機産業が今回の経験を生かすためには、どんな視点が必要なのか。改めて考えた。

MRJの胴体前で状況を説明する三菱航空機の川井社長(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)

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「「MRJ」計画遅延の本当の理由」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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