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部下が動く言葉、動かない言葉

チームに飛び交う「言葉」にこだわっていますか?

2013年9月19日(木)

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 オービックシーガルズの2013年の秋シーズンが始まった。

 選手やコーチの出身大学も次々とシーズンインして「うちの大学が勝った…」「あそこにアップセット(逆転)された!」といった会話も増える。最近ではハワイ大学やコロラド大学出身の選手もいるので、国内外の色々なチームの勝ち負け情報がチーム内で飛び交って、クラブハウス内も一段とにぎやかになる。

 以前、関西の強豪大学の監督からこんなことを聞かれた。「最近の選手(学生)は、一昔前に比べて普段着のセンスも良くなったし、他人に対しても物怖じせずにしゃべれるようになった。昔は、どちらかというと口が重かった。『次の試合勝てるのか?』と聞いても、ぐっと唇を噛んで『分かりません』と下を向くような感じだった。今は、『勝ちます!』と明るい調子で正面から即答してくる。これ、どう思いますか?」。 

気になる「勝ちます!」という言葉の重さと軽さ

 監督がそのあとにおっしゃった。「明るく言うのは良いけれど、本当に覚悟を決めて挑もうとしているのかどうかがよく分からない。『勝ちます!』という言葉にどうも現実感がない。事実、『勝ちます』と宣言をしたその試合に負けても意外にケロッとしている。どうも言葉が軽くなってきているのではないか」と。

 確かに最近は、プロスポーツ選手やオリンピアン(オリンピックに出る選手)は、メディアトレーニングを受けて、支援して下さる方や世の中に対して、自分の競技やスポーツのこと、チームや自分のことをきちんと語ろうという姿勢が目立つ。雄弁で説得力のある言葉は何よりも力強い。

 私自身も、1992年のサッカーのワールドカップの最終予選で、当時の日本代表の三浦知良選手が、「絶対、(日本をワールドカップに)連れていくから」と言った言葉に、同じ日本人として大きく鼓舞された。また、競泳の北島康介選手がアテネオリンピックで金メダルを取った際に口にした「チョー気持ちいい!」に新たな時代の到来を感じたことは忘れない。

 ここまでオリジナリティのある言葉は、計算されては出てこないにしても、今や選手自身が内外に向けて発する言葉が、SNSなどのタイムライン上で紡がれ、チームを形成していると言っても過言ではない。

ライスボウル3年連続MVPのクォーターバック背番号6・菅原 俊選手。勝ち上がるほど、取材対応の機会も増えていく

 ただ、こうした説得力のある言葉は、話し方やマナーなどを押さえただけでは出てこない。「なぜ自分は、この競技をやっているのか」「自分にとって勝つといったことはどういう意味をもつのか」「競技を通して自分はどんな夢を実現したいのか」といったより本質的なことについて、日常から考え、言葉にする訓練をしていないと結晶化することが難しい。

 アスリートに対するメディアトレーニングでも「頑張ります、応援をよろしくお願いします!」の連呼は、今や落第であると聞いた。メディアトレーニングを超えた、「ビジョンを言葉にするトレーニング」が必要なのだろう。

コメント3件コメント/レビュー

チームメンバーひとりひとりがひとつのスローガンで同じイメージを持つのはなかなか難しいと思う。状景が浮かぶ言葉としてのKDDは大変参考になりました。(2013/09/19)

「オービックシーガルズの最強チームの作り方」のバックナンバー

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「部下が動く言葉、動かない言葉」の著者

並河 研

並河 研(なみかわ・けん)

オービックシーガルズGM

1961年9月17日生まれ。奈良県出身。アメリカンフットボール人生は筑波大学に始まり、30年超。現役時代のポジションはOL→DL。2002年からチーム運営会社、OFCの代表取締役を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

大橋 誠

大橋 誠(おおはし・まこと)

オービックシーガルズ ヘッドコーチ

1965年6月9日生まれ。兵庫県伊丹市生まれの東京育ち。1989年リクルート入社。リクルートシーガルズ(現オービックシーガルズ)で8年プレーした後、コーチに。2000年にヘッドコーチ就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

チームメンバーひとりひとりがひとつのスローガンで同じイメージを持つのはなかなか難しいと思う。状景が浮かぶ言葉としてのKDDは大変参考になりました。(2013/09/19)

言葉に拘泥するほど愚かなことはない。部下が動くのはリーダーに倣っているからで、倣う能力のない部下を使わざるを得ない組織は、組織の体を成していないということを理解すべきである。(2013/09/19)

「KDD」の件、大変興味深く拝見しました。ただし本件を長年のブースター(ファンクラブ)会員である小生でさえ知らない、ということに軽い困惑を憶えました。あなたがたはしばしば、開かれたチームである、ファンも含めた集合体がシーガルズである、と言いますが、実際にはこういうことです。あるいは選手・スタッフだけが着用できるウェアを作って得々としています。少しも開かれていません。むしろ、長年見ていても大変閉鎖的な集団であると感じています。自分たちの状況に気付かないで、開かれた、などと軽々に口にするあなたがたの言葉の軽さをこそ、我々は見ていますよ。そこに驕りはありませんか。(2013/09/19)

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