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「乗客1人当たりの利益はマクドナルド1食分」

エアアジアXのオスマンラニCEOが語る

2013年9月18日(水)

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 日本国内のLCC(格安航空会社)事業で、ANAホールディングスとの提携を解消したエアアジアグループ。現在はエアアジア・ジャパンはANAの100%子会社となった。9月下旬に路線などを発表し、12月下旬からは「バニラ・エア」として運航を再開する計画だ。

 エアアジアグループが日本に初進出したのは2010年12月。グループ内で、中長距離国際線を担うエアアジアXが、羽田~クアラルンプール線を開設した。その後、2011年11月には関西国際空港にも就航している。

 また今年11月からは関空便を週4往復から週7往復(デイリー運航)に増便。2014年1~6月期には中部国際空港に、今後5年間では福岡や札幌への就航も計画している。

 今年上期の平均搭乗率も81%と好調に推移する。そこで今回は、エアアジアXのアズラン・オスマンラニCEO(最高経営責任者)に日本市場の戦略を聞いた。

沖縄にカジノを誘致せよ

2010年末に羽田空港に就航して以来、2011年には関西国際空港に路線を開設した。また今後も中部国際空港、福岡、札幌と、東京以外の都市への路線開設に意欲的だ。この狙いは。

オスマンラニCEO:日本の市場を開拓するには、東京以外の都市への就航が重要だと考えている。特に大阪は、潜在的な需要が大きい。関空は発着枠にも余裕があり、運航時間の制限がない。またこれは名古屋(中部国際空港)も同じ。まずはこうした開拓しやすい空港から、路線を増やしていく。

日本国内では、沖縄発着のアジア路線に注目している航空会社も出てきている。

オスマンラニCEO:沖縄は立地条件が良く、戦略的な優位性をもたらす都市だと考えている。利用客はレジャー目的に限られるだろうから、沖縄へ向かう一方向の需要は見込めるだろう。つまり180席クラスの機体を飛ばせば十分に収支が見込める路線だ。ただエアアジアXが運航するエアバスA330型機は377席もある。往路は満席でも、復路が埋まらないという懸念があるため、まだ路線を開設するのは早いと思っている。

 しかし今後10年間というスパンで見ると、沖縄は大きな可能性を秘めている。言うなれば、日本のバリ島だ。約400席の機体を飛ばせるだけの需要が見込めれば今後、就航を検討する可能性はあるだろう。

 私個人は、沖縄にカジノを誘致するのが一番の策だと思っている(笑)。

羽田路線の場合、クアラルンプールから搭乗する乗客が最終目的地としているのは東京なのか。それとも乗り換えて日本国内の地方都市に行っているのだろうか。

オスマンラニCEO:97%の乗客が、東京を最終目的地にしている。到着時間が夜だから、乗り継ぎの便がない、というのも理由の1つだろう。

 一方、東京で乗る人は、クアラルンプールを経由して、ペナンやランカウイ、シンガポール、バリ、プーケットに向かっている。乗客の8割が休暇を楽しむための利用。ビジネス客は少ない。

燃費効率の良さは「プリウス」以上

原油高が続いているがその影響は。

オスマンラニCEO:燃油の価格は、年初4カ月から若干、落ち着きを取り戻している。1バレル当たり130ドル程度だったものが、120から125ドルに戻ってきているからだ。

 多くの航空会社にとって、「簡単に利益が出る」路線はもう存在しない。誰もが苦労しながら、どうにかこうにか利益を出している。そもそも乗客1人によって生み出される利益は、マクドナルド1食分程度のもの。ボリュームを稼がないと、それぞれの路線で利益を生み出すことは難しくなるだろう。

 収益性を上げるために、我々は機材も工夫している。我々エアアジアXが使うA330は、特に燃費が良い。1フライトにおいて、1時間当たり必要となる燃料は1700ガロン。一方、フルサービス航空会社は1800ガロン。それにもかかわらず、我々の座席数はフルサービス航空会社より30%も多い。

 そもそも個人モニターなどの機内エンターテインメント・システムを全席に装着すると、重量が2トンくらい増えてしまうが、我々はそれを装備していない。加えて新聞や雑誌の数や食器の材質など、すべてを見直して軽量化を図っている。だからこそ、座席数が多いのに燃費が良いのだ。

 座席当たりで考えると、我々は乗客1人が100kmを飛ぶのに、2.7リットルしか燃油を消費しない。これに対して、フルサービス航空会社は100km当たり4リットル。厳密に計算したわけではないが、トヨタのハイブリッド車「プリウス」よりも燃費が良いのではないか。

 ほかの航空会社でも、乗客1人につき、100km当たり2.7リットルを下回る航空会社はないと思う。その点では、二酸化炭素の排出量も最も少ない航空会社と言えるだろう。

エアアジアXの客室乗務員とともにポーズを取るオスマンラニCEO(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)

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「「乗客1人当たりの利益はマクドナルド1食分」」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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