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中国のスマートフォン事情

小米科技はアップルか? アマゾンか?

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2013年9月19日(木)

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 それは記者会見というよりロックコンサートのようだった。暗いステージに登場したCEO(最高経営責任者)は、カジュアルな服装に身を包み、熱く見守る聴衆に向かって、なめらかなデザインの新型スマートフォンを披露した。

 これは米アップルが9月10日に発売した新型アイフォンの話ではない。中国の小米科技(Xiaomi)が9月5日に北京で、自社製スマートフォン「Xiaomi Mi3」を発表した時の様子である。しゃれたデザイン、華々しい製品発表、そしてカルト的とも言えるユーザーの熱狂ぶり。小米がしばしばアップルと比較されるのも無理はない。

 小米のファンは同社を「東洋のアップル」と呼び、批判者は「アップルの物真似」だと揶揄する。小米CEOの雷軍(レイ・ジュン)氏は黒いシャツにジーンズと、ファッションまでもアップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏風だ。小米は本当にアップルに対抗できる中国企業なのか。

 小米は昨年、中国、香港、台湾で720万台の端末を販売し、126億元(約2040億円)の売上高を記録した。一方、アップルは世界中で1億2500万台のスマートフォンを販売し、売上高は1570億ドル(約15兆5700億円)、利益は800億ドル(約8兆円)に上った。

 2010年に創業した小米の成長ぶりには目を見張るものがある。最近終了した資金調達ラウンドでは、同社の価値は100億ドル(約1兆円)と見積もられ、米マイクロソフトがフィンランド・ノキアの携帯電話部門を買収した金額を上回った。投資銀行ラトバーグ・アンド・カンパニーのラジーブ・チャンド氏は、「小米はベンチャーキャピタルからの融資が大きい新生モバイル企業の中でトップ15に入った」と言う。調査会社カナリスによると、2013年第2四半期の中国市場におけるシェアは5%となり、初めてアップル(4.8%)を超えた。

アップルよりもアマゾン

 それでも、小米の共同創業者であり、米マイクロソフトと米グーグルの中国事業部で勤務した経験を持つリン・ビン(林斌)氏は、「我々は自らをアップルと比べたことはない。どちらかと言えば米アマゾンに似ている」と言う。

 アップルは中国で「アイフォン5」を860ドル(約8万5000円)程度で販売しており、その利幅は業界一だ。それに対して小米は、自社製の電話機をほとんど原価に近い価格で販売する。同社の新たな目玉であるMi3の販売価格は2000元(約3万2000円)だ。小米はネットワーク事業者や小売業者を通すことなく、オンラインで直接販売している。これも価格を抑えるのに一役買っている。

 決定的なのは、同社が各種サービスの販売を収入源の柱としていることだ。ちょうどアマゾンが自社製の電子書籍リーダー端末「キンドル」を低価格で提供し、電子書籍の販売から収益を上げているのと同じである。つまり端末を売ることからではなく、顧客が端末を利用することから利益を上げるという考え方だ、とリン氏は言う。

 小米の8月のサービス売上高は2000万元(約3億2000万円)で、4月の1000万元から2倍に伸びた。リン氏は「これは古典的なインターネット事業モデルだ」と説明する。グーグルや米フェイスブックが実行したように、まずは利用者を獲得し、後からそれを収益につなげる形だ。

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