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外国人旅行者「世界30位」は戦略の失敗?

五輪開催に向けて問われる「観光立国」の本気度

2013年9月20日(金)

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 日本を訪れる外国人旅行者が急増している。日本政府観光局の推計によると、今年7月の訪日外国数は100万3000人。月間として初めて100万人の大台に乗せた。今年1月から7月までの累計で595万人に達しており、政府が目標としてきた年間1000万人を今年、達成する可能性が強まってきた。

訪日外国人数および前年同月比伸び率の推移

 京都や奈良といった有名観光地ばかりでなく、日本人があまり訪れないような地方の観光地でも外国人に出会うことが増えた。しかも、最近顕著なのは「国際化」が進んでいることだろう。韓国語や中国語ばかりでなく、タイ語やインドネシア語などを耳にする機会が増えた。もちろん、英語、ドイツ語、ロシア語も聞かれる。ひと時急増していた中国からの観光客が、昨年9月の尖閣諸島問題をきっかけに激減したことも「中国一色」から多様化するきっかけになった。

 海外からの旅行者の急増は、安倍晋三首相が推進する「アベノミクス」の効果と言える。第1の矢である「大胆な金融緩和」によって円安が進んだことが大きい。外国人にとってみれば自国通貨が日本円に対して強くなったわけで、日本旅行の代金が大幅に安くなっている。為替変動によって人数が大きく増減する韓国からの旅行者が急増していることも、円安効果の威力を示していると言えそうだ。

2月以降の観光客は2ケタ増

 1月の訪日外国人数は前年の同じ月に比べてマイナスだった。だがアベノミクスへの期待が高まり、円安になると共に大きく増え、2月以降は2ケタの伸びが続いている。2月は33.5%増、3月は26.7%増、4月は18.4%増と続き、5月も31.2%増、6月は31.9%増、そして7月は18.4%増となった。9月から年末にかけては、昨年は尖閣問題で中国からの観光客が激減した数値が比較のベースになるため、今年は高い伸び率が続くのは確実とみられる。中国人観光客の大幅な減少を、韓国や台湾、香港、タイなどからの観光客の急増で補い、さらに数を増やしているというまさに活況状態が続いている。

 外国人観光客増加の経済的効果は大きい。ホテル代や交通費など直接的な旅行費用が増えるだけではない、外国人が日本に来てお土産を買い自国に持ち帰れば、日本にとっては輸出と同じ効果がある。しかも、小売りや外食、ホテルといった観光関連産業の雇用を生み出す。

 原発の停止で火力発電用LNG(液化天然ガス)の輸入が急増、日本の貿易収支は赤字に転落している。そんな中で、外国人旅行者がもたらす収入は小さくない。

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「外国人旅行者「世界30位」は戦略の失敗?」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員