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「カイゼンはスイスエアのDNA」

スイス インターナショナルエアラインズのビンカートCCOに聞く

2013年9月25日(水)

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 世界経済フォーラムが毎年発表する国際競争力ランキング。人口わずか795万人、国土面積は九州とほぼ同じ約4万平方キロメートルながら、国際競争力と観光競争力、技術革新力で世界1位の国がある。スイスだ。アルプスの大自然を求めて、日本から観光に訪れる人も多い。

 この国のかつてのフラッグ・キャリアはスイス航空。2001年に事実上破綻し、その後スイス インターナショナルエアラインズに生まれ変わった。現在はルフトハンザ ドイツ航空の傘下に入り、新機材をグループで導入するなど、スケールメリットを生かす戦略を進めている。

 ルフトハンザは昨年4月から全日本空輸(ANA)と、欧州での共同事業を手がけている。今年4月からはスイス インターナショナルエアラインズと、同じくルフトハンザ傘下のオーストリア航空が共同事業に加わった。共同運賃の提供や、運航スケジュールの最適化による乗り継ぎ利便性の向上が目的だ。

 日経ビジネスが2012年に実施した航空会社の満足度アンケート調査では、1位のシンガポール航空、2位のエミレーツ航空に続いて、3位に食い込んだスイス インターナショナルエアラインズ。中でも機内食などの評価が高かった。今回は日本路線の戦略や、破綻後の再生の道のりについて、5月に就任したマーカス・ビンカートCCO(最高商務責任者)に聞いた。

破綻後「カイゼン」取り入れる

日本路線には、どのような客層が多いのか。

ビンカートCCO:日本へのインバウンドとアウトバンドが半々。レジャーとビジネスもちょうど同じくらいの比率だ。
 世界の中でスイスのブランドイメージが高く、裕福な人がたくさん訪れる。スイスに住む富裕層も利用しており、良い客層に恵まれているのが何よりの強みだろう。そもそも、スイスの最低給与水準は月収約30万円。貯蓄する人が多く、国民一人あたりの月収では世界一のレベルとなっている。

日本路線の売上状況やロードファクター(座席利用率)はどのくらいか。

ビンカートCCO:円安が進んだ結果、日本の売上高はやや落ちている。ただしそれでも日本は非常に収益率の高い路線。ロードファクターは90%以上と高い。それはありがたいのだが、今後は一層、収益性を高める工夫をせねばならないと思っている。

 夏場はシニアの観光客が多く、冬場は若者の観光需要やビジネス利用が増えている。ただ日本路線は今後、さらなる成長が見込まれると期待している。

今回の訪日にした目的は。最近では2014年春に見込まれる羽田空港の国際線発着枠の増加についての交渉をするため、海外航空会社のトップが続々と来日している。日本の国土交通省と会談する予定は。

ビンカートCCO:日本の当局と会う予定はない。そもそも今年7月には既に航空交渉が済んでおり、その結果にも非常に満足している。それ以上のことを望んで来日したわけではない。

スイス インターナショナルエアラインズでは2016年から新機材を導入する。これに伴い、現在就航している成田以外の都市(東京・羽田や関西など)への就航を検討しているだろうか。

ビンカートCCO:現在のエアバスA340-300型機と比べて、2016年から導入するボーイング777-300ER型機は、1便あたり約100席増える。今の時点で、日本路線にそこまでの需要はない。そのため新機材を活用した増便は考えていない。
 今後日本の乗客数が増えれば、その時に増便を検討する。他社の動向も注意深く見ていかなければならないだろう。

前身のスイス航空は2001年に経営破綻している。そこから学んだことは。

ビンカートCCO:かつてスイス航空が破綻したことから学んだことはとても多い。そのため現在の経営陣は、今でも大きな決定を下す際、過去の事例を参考にしている。

スイス インターナショナルエアラインズのビンカートCCO(撮影:吉川 忠行)

 2005~2006年にかけて、抜本的なコスト削減を進めていった。使う機材の種類や路線を見直し、人員を削った。その時気づいたことは、単にコストを抑えるだけではダメだということだ。残った人間が会社を良くしなければならない。
 そのために我々は、日本のトヨタから“カイゼン”という考え方を学んだ。当時社内に設けた“カイゼン・オフィス”は今でも運営されている。

 当時は最初に、スイスでマネージャーが“カイゼン”についての研修会に参加し、その後、日本まで勉強に出かけた。そこで学んだことをスイス国内のほかの社員に教えることを続けてきた。
 カイゼンの哲学は乗務員だけではなく、ファイナンスやサービスなど、いろいろな部署に広げていった。カイゼンは、我々のDNAに染み込んでいる。

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吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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