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レストラン「3号炉」に込めた人々の思い

リトアニア・ヴィサギナス市

2013年9月26日(木)

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 旧ソ連の構成国で今はEU加盟国であるリトアニアで、原発新設の是非を問う国民投票が2012年10月14日に行われ、反対が賛成を上回った。日本でもいくらか話題になっていたが、結局、あの問題はあれからどうなったのだろうか、と思い、私は今年5月、日本の原発が新設されるかもしれないヴィサギナス市へと向かった。

原発労働者の街、ヴィサギナス市へ

 ヴィサギナス市はおよそ100の湖に囲まれた自然の豊かな地域に作られた原発労働者の街である。自然を切り開いて新しくつくった、いかにも旧ソ連の街らしいところで、他のリトアニアの街のような欧州の雰囲気は全くない。

「ここに原発従事者の街が建設される。1975年8月」と書いてある石碑(ヴィサギナス市)

 街中アパート群だらけで、安価な市内巡回タクシーが頻繁に走り、市内のどこへでも一律料金で送り届けてくれるという、「ソ連」が感じられる、近未来的な不思議な街だ。ヴィサギナスのシンボルはこのあたりの湖に生息する「鶴」で、街の至る所に鶴のマークを見かける。その度、日本人としては親近感が湧いた。

ヴィサギナス市役所前にある鶴のモニュメントとリアルタイム線量計。表示されている値は「毎時9マイクロレントゲン(およそ毎時0.09マイクロシーベルト)

 いかにも原発労働者の街らしい「エネルゲティク」という名前のついた通りにあるペンションまで、巡回タクシーが送り届けてくれた。人工的な街にはあまり似合わない、かわいい森のペンションといった感じで、親切なオーナーの女性がヴィサギナス市の観光案内が載っている地図をくれた。

 もらった地図を広げてみると、大きな放射能のマークが目についた。どうやら市内のショッピングセンターの中に、「3号炉」という名のレストランがあるらしい。

コメント3件コメント/レビュー

『チェルノブイリの事故処理作業員の子どもは健康であることが珍しいと話す。また、当時事故処理作業には携わっていなかったが、キエフの彼女の娘から生まれた孫も放射能のせいで病気を持っているのだとも言う。』それでも「原発は必要」だ、という原発事故処理作業元従事者「女性」のこの発言、日本で言ったら冷静に聞けるだろうか。原発容認派は健康についてはすっとぼけるだろうし、否定派はどう反応するだろうか。(2013/09/26)

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「レストラン「3号炉」に込めた人々の思い」の著者

宮腰 由希子

宮腰 由希子(みやごし・ゆきこ)

ロシア語通訳

ロシア語通訳、NGO「ダール・アズィーザ」事務局長。1983年青森県弘前市生まれ。17歳の時にチェルノブイリに行き現地を視察。2002年~08年、モスクワ国立大学留学。現在はキエフに滞在中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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『チェルノブイリの事故処理作業員の子どもは健康であることが珍しいと話す。また、当時事故処理作業には携わっていなかったが、キエフの彼女の娘から生まれた孫も放射能のせいで病気を持っているのだとも言う。』それでも「原発は必要」だ、という原発事故処理作業元従事者「女性」のこの発言、日本で言ったら冷静に聞けるだろうか。原発容認派は健康についてはすっとぼけるだろうし、否定派はどう反応するだろうか。(2013/09/26)

リトアニア規模の小国なら一度原発事故が起こったら国土を放棄して避難するしか術はない。それでも良いのか?目先の事に囚われて良いのか?彼らが決めることだが私が当事者だったら福島の現状を見るととても賛成できない。(2013/09/26)

化石燃料はメジャーや大国に牛耳られていて、国内に資源を持たない国にとって再生可能エネルギーはエネルギー安全保障上「必須」なのだ。原子力も化石燃料の一部ではあるが、値段が安定しているので再生可能エネルギーに次いでメジャー依存度が低い発電方法ではある。日本はリトアニアに比べれば日照が多いが、稼働率は10%台でしかない。それでも発電ピークと需要ピークが重なるので、存在価値がある。風力はその点、正に「お天気任せ」で需要とは全く関係なく発電する。こう考えて行くと、日本に最適な再生可能エネルギーは地熱発電だろう。資源大国でもあり、発電も必要な時に出来る。最大の問題は温泉街での反対運動と環境保護。温泉街で反対を叫ぶ人達に取って、日本が燃油輸入の増大で貿易赤字を続ける事は「対岸の火事」で地元の温泉が湧き出続ける事の方が大事なのだ。典型的な利己主義であり、且つ科学的な反論にすら耳を貸さない「ただただ反対!」論者達だ。日本にとって何が重要かを冷静に考えて資源の利用優先度を決めるべきだ。地下3kmの熱水を個人や私有企業が独占する事は許されるべきでなく、公共の利益を優先すべきだし、温泉水は発電用の熱水よりはずっと浅い層にあり、競合すらしない筈だ。将来の原発縮小を考慮するならば、再生可能エネルギーで総発電量の過半は賄いたいところだ。出来れば小型水力等も含めて電力全てを賄えるのが日本のエネルギー政策的には理想ではないだろうか。近年の異常気象の主要因は地球温暖化であり、排気ガスの増加が主犯である事を考えれば、再生可能エネルギーへの切り替えが如何に重要か誰でも分かるのではないか。(2013/09/26)

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日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授