地下鉄半蔵門線の、水天宮前駅。地上に出れば、辺りを圧倒する巨大建造物、箱崎JCTがそびえ立つ。見上げると、吸い込まれて遠くまで流されそうな、大迫力のカーブが三方向に空を走る。

異次元空間と現実の境目みたいな高架下を、異星人になったような気分で歩くこと1、2分のところに、本日の潜入先「Mち家そば」はあったのですが…、すぐにはわからず辺りをうろうろ。
なぜなら「Mち家」、一瞬だと見落としそうな、全体の印象が白っぽい、極めてシンプルな外観なのです。簡素な造りではあるけれど、どことなく割烹とか、素材に拘る小料理屋に見えなくもない。

普通のおそば屋さんには、ほんのわずかでも田舎の素朴さと無骨さが漂うもの。立ちそば屋なら尚更のこと、そば屋っぽさがあるものですよね。

紺のハッピを着たそば職人よりも、白い割烹着の板前さんが似つかわしい、立ちそば屋「Mち家」。
それもそのはず。「Mち家」は「そば文化は江戸のもの!」と信じて疑わないこの地に下り、由緒正しい上方の味を供する立ちそば店だというのです。だから易々と、我々東日本の流儀に従っては下さらない。
「Mち家」の拘りは、化学調味料に頼らない、本物の関西ダシ。こんなそばを「かけ」なら350円で食べさせる。
関西へ行かずして、日本食の礎であり、味わいもエレガントな上方の食文化を、たったの350円で楽しめるなんて、うれしいな、素敵だな。
よって、今回の潜入調査先は、上方文化の立ちそば店「Mち家」に決定いたしました。
ところで、関西ダシ…といえば、異なる素材の緻密な組み合わせによって生み出される、まろやかさ。そして、つゆの色の淡さ、であります。どんな理由からそうなるのでしょうか。
「Mち家」では甘汁(そばのかけつゆ)に、関西人が「黒い」と驚く関東醤油ではなく、(関西人好みの淡口醤油よりもさらに色の薄い)中部地方で造られる、麹の香りと甘みの強い「白醤油」を使用。5つの厳選ダシ素材と職人の技で引かれた味を供する。

すばらしい! 今頃(10/24)読んでいるが、和の文化追及がいい。うどんもなめてもらっちゃ困るんですよ~。もと?関西人(おやさん)(2013/10/24)